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三章 16 『決戦準備』


 辺りはすっかり日も暮れていた。進藤はクラウド家の客室で机に座り一人考え込んでいた。どうやってセシリアとガウェンの結婚を阻止できるかを。


 残された日数は6日。今日はもう夜で式が行われる日を抜かせば実質4日しか行動できる日はない。


 「うーん・・・あと4日か、なかなかの日程だなぁ。ここまで日にちの少ない仕事もなかなか無いよな・・・でも今回は絶対に失敗できない案件だな。もし俺が失敗すれば大勢の人がきっと不幸になるよな・・・」


 机の上で唸る進藤。他人の婚約を阻止する仕事なんてもちろんしたことない。そのために自分に出来ることを精一杯ひねり出そうとする。


 「今の俺に出来ることはなんだ?まずはこの世界で目覚めたギフトとやらの特別な力だよな、そして社畜時代に培った経験ってやつか?使える力っていったらこのくらいだよなぁ。これを使って俺に出来ることか・・・」


 きっとシルヴェーヌ家の人もガウェンのギフトの力で操られているだろう。当主のケイデスとセシリアはまず間違いないだろう。強い衝撃を与えれば催眠状態は解ける・・・だからシルヴェーヌ家の人間は面会を頑なに拒否するのだろう。


 ガウェンはきっと自分の力に自信があるのだろう、俺には何もせず帰したのがその証拠だ。きっと俺程度の男ならどうにでも対処できると思っているんだろう。隙があるとすればその過信か・・・


 「・・・あー!!考えろ!無い頭をフル回転させろ!俺の行動に人の人生がかかってんだぞ!」 


 納得のいく答えの出ない状況に頭を掻きむしりながらイライラする進藤。あのガウェンの勝ち誇ったような表情が脳内で再生される。


 ますますイライラが募る。


 「くそっ・・・!思い返しただけで腹が立つぜ!こんなん気持ちじゃダメだ!まずは落ち着け・・・ふぅ・・・」


 進藤は深い深呼吸をして目を閉じた。


 次に脳裏に浮かんだのはかつて王都をセシリアとルイズと一緒に歩いた時のことだった。


 あのセシリアの楽しそうな顔、それを見守る微笑ましいようなルイズの顔・・・そして次にあのセシリアの儚げな表情、さらにルイズの泣き顔だ・・・


 できればもうあんな二人の悲しい表情は見たくない。させたくもない。 


 今の俺の行動理念はそれだ。正直ガウェンがどうなろうと知ったこっちゃない・・・二人がまたあんな風に笑顔になれる日がくればそれでいいんだ。


 そのためにすべきこと・・・・


 進藤はじっと考え込んだ。



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 気づけば窓から太陽の光が差し込んできた。いつの間にか朝になっていたようだ。


 「・・・もうこれしかないよな。俺に出来ることなんて限られているんだ。たとえそのやり方がカッコよくなかろうとやるしかないな。ヨシッ!やるか!!」


 何かを思いついた進藤は勢いよく立ち上がり客室から飛び出した。


 途中でデミウスと遭遇した。


 「お?進藤君おはよう・・・って、どうしたのその顔!?まさか寝てないのかい!?」

 「あ、デミウスさん!ちょっと俺出かけてきます!」

 「あ、うん・・・その表情、もしかして何か思いついたのかい?」

 「正直わかりませんが・・・やれることは全部やっておきたいと思います!婚約の儀の日までには必ず戻ってきますのでそれまでよろしくお願いしときます!」

 「うん!わかったよ!父さんにも伝えておくから頑張ってね!」

 「ええ!それでは・・・!」


 進藤はそう伝えクラウド家を後にした。



 それから次に進藤がクラウド家に姿を見せたのは婚約の儀の当日の夜明前のことだった。


 

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