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三章 6 『占い師リサ』


 サラスと別れた翌日進藤はクラウド家を訪れていた。


 「やあ進藤君、よく来たね」


 クラウド家当主リチャードは快く進藤を迎え入れた。


 「どうも。新しいお家の方はどうですか?何か不便な所とかありませんか?」

 「不便?とんでもない!これ以上ない程快適に過ごさせてもらっているよ!家の中は明るいし、防音室では快適に仕事をしているよ!デミウスも新しいトイレを気に入って毎朝トイレの部屋に長いこと閉じこもっているくらいだ!本当に君には感謝しているよ!」


 満足そうに答えるリチャード。


 「そうですか、それは良かったです!それで今日は以前お話されていた占い師の人の所に行こうと思って来たんですけど・・・」

 「おぉ!そうか!そろそろ来るだろうとは思っていたんだ。それならさっそく行こうじゃないか!私が案内しよう!」

 「ホントですか!?助かります!」


 それから進藤はリチャードと共に馬車に乗り占い師リサの所に向かった。

 

 「その占い師の方・・・えっとリサさんですかね?その方って有名な人なんですか?」


 馬車の道中で進藤はリチャードに尋ねた。


 「いや・・・リサは正直に言えば有名ではないよ。ひっそりと占いを営んでいるようだ。一般の人間では会える可能性は低いだろう。しかしその力は紛れもなく本物だよ」

 「そんなに凄い占いなんですか・・・!?」

 「占いも凄いが、本当にすごいのはギフトの解析能力の方だろうな。彼女にかかればどんな力を持っているかバレてしまうからギフト持ちの貴族の中には彼女に大金を積んで口外しないように頼んでいる人間もいるみたいなんだ」

 「そうなんですか・・・それじゃあリチャードさんも?」

 「いや、私は違うよ。以前も言ったが私のギフトは別に隠すようなものでもないしな。むしろ市民から信頼されるのに必要な情報の一つさ」

 

 リチャードは笑いながら言った。


 「・・・それじゃあもし俺のギフトのことを知られたら俺もお金を渡さないとダメなんですかね?」


 リチャードの言葉で進藤は不安になった。そんな口止め料なんて大金持っていない。


 「ハッハッハッ!その心配はいらないさ、私と彼女はちょっとした関係でね。任せときなさい」


 そういうとリチャードは自信気にウインクした。


 それから馬車は王都の大通りを抜けて徐々に人通りの少ない方に向かった。王都の華やかさの欠片も感じられない廃れた一角だった。


 「こんな場所が王都の中にあったなんて・・・」

 「何も華やかな部分が王都の全てでは無いんだよ。富を得ている者がいればその逆の者もがいるのは当然のことなのだ・・・嘆かわしいことだがな。私たちはこういった市民達の生活も支えていかねばならないのだ」


 そう言ったリチャードの表情はどこか悲しそうだった。それから少しして馬車が止まった。そこには廃れた街並みの中でも一際ボロボロな建物があった。入り口には看板などは無く腐りかけのような木製のドアが一枚あった。


 「本当にこんなところに人が・・・?」

 

 思った以上な悲惨な建物に動揺を隠せない進藤。


 「フフ・・・だいたいここに始めて来た人間はそういう顔をするよ。まあ中に入って見ればわかるさ」 


 そう言ってリチャードはボロボロな扉を開け中に入って行った。進藤もその後に続いた。薄暗い部屋の中にはもう一枚扉がありその扉を開けると地下へ続く階段があった。


 迷いなく階段を下りていくリチャード。階段を下りた先には頑丈そうな鉄の扉があった。明らかに異質な扉だ。


 リチャードは鉄の扉の丸い取っ手の部分をリズムよく鳴らした。


 「リチャードだ。今日は客人を連れて来たぞ」


 すると扉の鍵が開く音がした。鉄の扉が自動で少し奥に開いた。


 「さあ、中に入ってくれ」

 「はい・・・っ!?」


 案内され中に入った進藤は驚きを隠せなかった。室内は外とはまったく違い豪華な造りになっていて広い室内に赤い絨毯、煌びやかな装飾品の数々・・・変な絵も何枚も壁には飾られていた。その部屋の一番奥に横長いテーブルに座っている女性の姿があった。絨毯にも負けない赤いローブを着て、ウェーブのかかった茶色の髪を肩まで伸ばしている。容姿から察するにおそらく20代前半だろう。整った顔立ちで瞳は碧眼。その大きな瞳の眼力に進藤は息を呑んだ。


 「・・・いらっしゃい。久しぶりねリチャード」

 「そうだね。何時ぶりだろうか・・・?今日は紹介したい人がいてね、連れて来たんだ」

 「そう・・・その男のギフトを見てあげればいいのかい?」

 

 占い師リサはすでに今日訪れた目的を知っていたかのように言った。


 「さすがだね。話が早くて助かるよ!」

 「はぁ・・・金にならない客を連れてきてもらっても困るんだけどねぇ?」

 

 ため息交じりに愚痴をこぼすリサ。


 「まあそう言わずに頼むよ。それに今日の分はしっかり料金は払うからさ!」

 「しっかりアンタに請求するからね?それじゃあそこに座んな」

 「あ・・・はい」


 リサの雰囲気に緊張しながらも進藤はリサと向かい合うように用意された椅子に座った



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