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一章 13 『神をも恐れぬ力』


 慌てふためくサラスを横目に進藤は湖の周りを掘り進める。深さは約1m程で溝のようにアイリス家の方角に伸びるように掘り進めていく。


 そしてある程度の長さを掘ったらショベルカーから降りて溝の中に降りた。湖の側は決壊して水が溢れてこないように土留めを施している。


 「とりあえず初めはこんなもんでいいかな?それじゃあ記念すべき一本目と行きますか・・・ほい!」


 進藤のイメージ通りに湖の中から掘った溝の中に伸びるように鉄制のパイプが現れた。太さは約直径20センチといったところだ。もちろん地中や水中で腐らないように腐食防止加工済みだ。


 そして湖の中に水門を作成する。これの開閉でパイプの中に水が流れ込むようになる仕組みだ。今は水が流れると困るので閉まった状態にしておく。


 「いやー想像したとおりに材料やら門が出来ていくから随分楽だな。これなら予定よりもかなり早く終わりそうだな!」

 

 満足そうな様子の進藤。本来ならば一人では絶対出来ない作業ないようだがこの不思議な力のおかげで一人でもサクサク進んでしまう。


 「・・・本当に君は何者なの?今、見間違いじゃなければ自由に物を作り出したわよね?」


 進藤の作業を見ていたサラスが再び驚いている。


 「あ、そうか。人前でこれをするのは初めてだったな。サラスは女神っていうから別に大丈夫かと思ってけど、やっぱりこんな力があるって変だよな?」

 「あっったりまえでしょ!!そんな創造の力なんて女神の私だって持ってないわよ!?私が作れるのはせいぜい水くらいなのよ!?それを今の短時間で君は何種類作り出したのよ!?ありえないわ!!」


 進藤がここにきてから興奮しっぱなしの女神サラス。やはりこの進藤の力はこの世界でも異質のようなものだ。


 「ありえないって言われてもなぁ・・・実際こうして出来てるわけだしな。あ、でも何でも作れるわけじゃないんだぞ?出来ないものも色々あったからこの力も万能ってわけじゃなさそうなんだ」

 「信じられないわ・・・君って本当に人間なの?まさか私と同じ神様とか言い出すんじゃないでしょうね?」

 「それはないと・・・思う。たぶん」

 「なんで自信なさげなのよ?」

 「俺も正直、自分で良くわかってないんだ」

 「・・・変な奴ね」


 もはや興奮を通り越してあきれた様子のサラス。トボトボと歩いていきセリカの作ってくれて弁当の所に帰って行った。どうやらやけ食いを始めたようだ。凄まじい勢いで食べている。そしてワインを一気に飲み干した。


 「あー美味しかった!こんなの見せられたら飲むしかないじゃない!なんだかワインのせいで眠くなってきちゃったわ・・・私はとりあえず湖の中に帰るから何かあったら呼んでね?」

 「そうかい。ってサラスを呼ぶってどうしたらいいんだ?」

 「最初の時みたいに祈れば私に届くわ。それじゃおやすみー!」


 そう言い残してサラスは湖の中に潜っていった。生身で潜っていく姿を見てやはり女神なのだと再認識した。


 「さてと・・・一人になったことだしサクサク進めていきますか!」


 それから進藤はショベルで穴を掘っていく→パイプを繋いでいく→埋めていく作業を一人黙々の繰り返していった。


 次第にショベルから降りてパイプを繋いでいくのも面倒になった進藤は運転席から出来るんじゃないかと思い試してみた。これがうまくいきもはや機械から降りることなくパイプを具現化させ延長していった。


 作業スペースも思いのほか早かった。以前の世界では掘る作業も色々埋まってたり車が通ったりするのを避けながらしなければならなかったがここではそれがない。周りに気を使うことなく作業をすることが出来る。地面もただの土なのでまるでスポンジケーキをスプーンですくい上げるかのようにサクサク掘れる。


 気づけばまもなく日が暮れようとしていた。驚異の作業スピードでアイリス家まであと半分くらいだろうか。これならあと一日頑張れば作業を終えることが出来そうだ。


 幸か不幸かブラック企業で酷使されていた進藤は突貫工事には慣れている。今日はアイリス家には戻らず作業を進めることにした。ショベルの先にライトを装着させ夜間の工事をすることにした。


 「よしっ!気合入れて徹夜で作業するぞ!ここなら周りの騒音に気を使う必要もなさそうだしな!」


 進藤は気合を入れなおし一心不乱に水道管をアイリス家のほうに伸ばしていった。


 この日からロマリス国の王都では夜な夜な目の光る竜が地面を喰らっているという噂が広がったとか広がらなかったとか・・・進藤は知る由もなかった。

 


 

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