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一章 12 『そろそろ本気出す』


 湖の女神サラスと無事契約を終えた進藤はアイリス家に戻ると夕食時にアイリス達に話を切り出した。


 「ちょっと聞いてほしいんだけど、明日から少し休みをもらえないかな?」

 「急にどうしたんだい?休みは全然構わないけどどこか体の調子が悪いのか?」


 進藤の突然の申し出にシルバが心配してくれた。


 「いや別にどこも悪くはないよ!ただちょっとやりたいことがあって・・・そのために少し時間が必要なんだ。もちろんそれが終わったらまた手伝いをやるから!」

 「そうか。それなら気兼ねなくやりたいことに集中するといいよ。進藤がやりたいことを見つけたのなら私私達はそれを応援するよ」


 シルバが優しく微笑んだ。


 「そうね!もちろん私も応援するわ!どこかに出かけるの?」

 「うん。日の明るい間は一日中外にいることになると思うんだ」

 「そう!それなら明日からお弁当を作ってあげるわ!」


 セリカが気合を入れるような仕草で腕を振り回している。


 「ありがとう!助かるよ!あ、もしよければ弁当は二人分お願いしても良いかな?そしていらないワインとかお酒が余ってたらそれも貰いたいんだけど・・・」

 「いいわよ!確か全然手を付けてないお酒が小屋の奥の方に合ったはずだからそれを持っていくといいわ」

 「本当!?ありがとう!!」


 セリカは進藤の言葉をすんなり受け入れてくれた。何に使うのかなど聞いてこない。


 「アイリスもごめんね。少しの間、一緒に水汲みに行けなさそうだけど大丈夫かい?」

 「うん!全然へっちゃらだよ!進藤お兄ちゃんが用意してくれたあの不思議な容器のおかげで水汲みも楽になったしアイリス一人でちゃんと出来るよ!」


 アイリスが満面の笑みを見せた。


 「ハハハ、さすがアイリスだね!もう少しの間だけの辛抱してくれないか?そしたらきっとみんなを驚かせるから!」

 「うん!わかった!約束だよ!」

 「ああ!約束だ!」


 進藤とアイリスは指切りをかわした。


 もっと色々と聞かれるかと思ったがすんなり受け入れてくれた。きっとみんな進藤のことを信用してくれているのだろう。それが進藤にはとても嬉しかった。だからこそこの計画を一日でも早く実現しようと考えた。



 翌朝、進藤が支度を終え部屋から出ると昨日話した通りセリカが二人分の弁当とワインが一本用意してくれていた。


 「おはよ進藤。何をするかはわからないけど気をつけて行ってくるのよ」

 「うん、ありがとう!この弁当があればいくらでも頑張れそうだよ!」

 「あら、じゃあ明日はもっと気合いれて作らないとね!!」

 「明日も楽しみにしてるよ!それじゃあ行ってきます!!」


 進藤は弁当とワインを受け取りアイリス家を出た。馬に乗り湖の近くまで行った。そこにはビニールシートに覆われたショベルカーがあった。昨日のうちにここまで移動させていた。


 馬から降りてショベルカーの運転席に乗り込む。エンジンをかけると重低音の音と共にエンジンが回転を始める。


 「うん、問題はないな。今日から気合いれてやるぞ!」


 進藤はレバーを前に倒しキャタピラを回転させて前進して湖の方へ向かった。


 少しして目的の湖まで到着した。


 「よし・・・着いた。さてといっちょやりますかね!」

 「ちょ、ちょっと!!これ一体何なの!?」


 湖から再びサラスが姿を見せた。進藤が乗ってきたショベルカーを見て驚いているようだ。


 「あ、サラス!驚かせて悪い。しばらくうるさいかもしれないけど我慢してくれ!」

 

 進藤が運転席から顔を覗かせた。サラスが湖からあがりショベルカーを見上げている姿がなんとも面白かった。まあ初めて見たのだろうから無理もない。 


 「何なのよこれ!?一体何をしようって言うつもり!?」

 

 慌てふためくサラス。このまま作業を開始するわけにもいかないので一度サラスの所に降りた。


 「やっぱりこんなの見たら驚くよな」

 「なんか地響きみたいなのが聞こえたからあがってきたら凄い大きなものがあるじゃない!これ君が作ったの!?」

 

 相変わらず興奮気味のサラス。


 「まあ作ったって言えば作ったのかな・・・?発明したのは別人だけどね」

 「こんなの作るなんて一体君は何者なの?こんな乗り物見たことも聞いたこともないのだけど・・・」

 「まあ詳しくは説明するよりも見てもらった方が早いかな?あ、あとこれ今日のお供えものだよ」


 進藤はセリカが作ってくれた弁当とワインをサラスに渡した。サラスの目が一瞬で輝く。


 「きゃー!やった!今日はまた随分と豪華じゃない!?」

 「無理言って作ってもらったんだ大事に食べてくれよな」

 「もちろんよ!食べ物を粗末にするなんて考えられないわ!!」


 弁当をもらってまた違う意味で興奮しているサラスだった。


 「まあとりあえずそこで俺がすること見ていてくれよ・・・あっ!一応言っておくけど俺があの機械んに乗っている間は近づかないでくれよ?危険だからね」

 「わかったわ!私はこれを食べながら見学させてもらうわ」


 そういってサラスは少し離れた場所に腰かけた。嬉しそうに弁当を広げている。


 「よし!それじゃあ改めて作業をやるとしますか!」


 進藤は気合を入れなおし運転席に乗り込んだ。そしてレバーを操作してショベルカーの腕を動かし爪の部分で湖の近くの地面を思いっきりえぐり取った。


 「ちょーーーー!?何すんのよ!!」


 サラスの叫び声だ。目の前で湖の側の地面がえぐられたのを見て驚いているようだ。食べようとして手に持っていたパンを驚きのあまり地面に落としていた。


 さっき自分で食べ物を粗末にするなんて考えられないと言ったくせに・・・


 「まさかこの湖を壊すつもりじゃないでしょうね!?」

 「まさか!そんなことしないから俺を信じて見ててくれよ!ちゃんと元通りに復旧させるからさ!」


 運転席から進藤が信じてくれと親指を立てグッドサインをした。




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