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4章幕間4 冒険者(3)追記

ちょっと遅れました

「報告出来る事はこれくらいかな。

 で、クー、そっちはどうだったんだい?」



 例の店に赴いた二日後、僕は冒険者ギルドの長の部屋で先日の調査結果を目の前の女性に報告していた。



「ああ、こちらも届いた魔道具と魔法薬を調べて貰ったよ」



 報告の相手はクィン・グランシー。

 ギルド長と呼ぶものが多いのだが僕はやはりクーと呼ぶので慣れているのでこちらで呼ばせて貰っている。

 なぜクィンに改名したのかは知らないが、もともと謎の多い女性だし深く関わるつもりがないのなら詮索するのは野暮というものだろう。



 報告の内容はもちろん先日訪ねたあのお店についてだ。

 ギルド内でも話題に上る事が多いのだが、その内容は信じがたいものなのに物的証拠だけはあがっているという信ぴょう性の高いものばかり。

 そこで僕が調査を頼まれたのだ、噂になっている魔法薬が本物なのかどうかを。



「そうかい、結果は…まあ予想出来るけどね」


「だろうね」



 クーはそう一言だけ呟くと数枚の書類、調査結果だろうそれを机の上を滑らすように投げてよこした。

 そう言った態度も彼女らしいと言えなくもないがどうやら何か気に入らないことがあった様子だ。






 ………なるほど、これはクーじゃなくても不機嫌になるだろうな。


 書類の内容を確認したところ3つの項目に分かれた報告が記載されていた。




 1つ目は調査と目的である魔法薬について。


 効能レベルは測定不可。

 魔力の回復効果は確認出来たので本物である事は間違いないが、お抱えの錬金術師や魔導士、鑑定士の検証ではその性能を測る事が出来なかったとの事。


 備考 美味しかったのでまた飲みたい。


 そんな感想を伝えられてもねえ…。




 次は2つ目、魔道具について。


 こちらはブラック氏への依頼となったのだが制作者の名前を出したところでまたか…と発言していたとの事。

 楽しそうな様子ではあったが詳しい話を聞こうとすると何も話すことはないとの一点張り、こちらもどの程度の品なのか判定する事が出来なかった。

 一応他の技師にも依頼してみたが判明したのは並の技師では取り扱えないという事だけで有益な情報を得る事は出来なかった。




 これはひどいな…。

 うちの調査班の力不足なのか、それとも彼らの創る物が我々の常識を凌駕してしまっているのか…。




 そして最後の報告、これは今後の調査についてだったのだが…。


 これ以上の調査継続は出来ません。


 各方面から強い圧力が掛かっている為これ以上の継続は困難です。

 本国のギルドにも警告が入っている為かなり大掛かりな動きがあると思われます。




 …どういう事だろうねこれは? レオンリバーだけでなく本国のギルドにまでとなるとかなり上の…ダメだな、やめておいた方が良いねこれは。



「ちっ、ブラックのやつ! 何か知ってるっぽいんだがな…」


「お口が悪いよクー、それでどうするんだい?」



 結果次第では噂の錬金術師をギルドで囲う予定のはずだったが…止めておくべきだろうね。

 動いているのは分かる範囲でも職人ギルドに領主のグループ、後は軍関係もだろうか? それに本国のギルドにまで圧力をかけて来ると言う事はそちらに働きかける存在もいる事になる。

 下手な事をしてそれら全てを敵に回したりしたらどんなペナルティーを受けるか…考えたくも無い。



「保留、諦めてはいないけど今は動けない」


「良かった、君の事だから無理やりにでも押し通すんじゃないかと思ったよ。

 これもギルド長になって成長したってことなのかな?」



 長になる前の彼女なら目的の為に全ての障害を排除しようとしたかもしれないが、今そんな事をすればギルドに所属するすべての冒険者に迷惑を掛ける事になる。

 大人になったのか、それとも長としての自覚によるものなのかは分からないが彼女にとっても良い変化と言えるだろう。



「おまえはっ! ……ったく、まあ調査に協力してくれた事は感謝するよ。

 経費はこちらでみるから明細を出しておいてくれ」


「それは良かった、じゃあ僕はこれで失礼するよ」



 こうして今回の調査は終了となった。


 調査をこれ以上進めることが出来ないのは残念だが個人的にはこれで良かったのでは…とも思っている。

 それはあの店で提供される物が値段に見合わない高性能過ぎる品ばかりだからだ。


 僕も使ってはみたがあの魔法薬はすごかった…凄すぎて少々危険にも思える程に。

 新米冒険者であれば助けにもなるかもしれないが、あまり頼り過ぎると冒険者としての成長を阻害しかねない代物であり慣れてしまうとあれ無しでは戦えないなんて事になりかねない。


 僕も保険として1つは所持するが可能な限り使用は控えようと思う。

 行きつけの店もあるし基本はそちらで購入する事とし、あのお店に行くのは…。



 ああ、そう言えば1つ忘れていた事があったな…。




 ―――――――――――――――――――――――

 店内にて




「ところで兄さん? 表の…あの…アレは何?」


「ああ、あれは前にもうちょっと飾りつけをした方が良いんじゃないかって意見があったからさ。

 ちょっと張り切ってみたんだけどどうだ?」


「…いや、兄さんがその手の事をやってもダメに決まってるでしょ? 気持ち悪いから早く片付けてよね」



 辛辣な言葉を掛けられたその人物は酷く落ち込んでいる様子だった。

飾りつけ云々は前にファムから言われたものです。


今日はもう1つ投稿します

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