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虚飾の戴冠

闘技場での決闘から一夜。カルテル王国は、未曾有の熱狂に包まれていた。

「王国第2位、グランを無傷で完封」

その衝撃的なニュースは、魔法通信によって近隣諸国へも拡散され、リアムの名は「生ける伝説」として確定した。

ギルド【マスターピース】の周辺には、一目リアムを拝もうとする群衆が押し寄せ、王室からは「救国英雄」の称号授与の打診が届いている。

「……終わった。もう、本当に終わったんだ」

ギルド最上階、リーダー専用の豪華な私室。リアムはふかふかのソファに沈み込み、絶望に打ち震えていた。

昨日の勝利。あれは100%、自分に憑いている「何か(守護霊)」がやったことだ。自分はただ、怖くて手を前に出しただけ。なのに、世界は自分を「指先一つで空間を砕く魔導王」だと思い込んでいる。

「リアム様ぁ、お着替えですよ。今日は国王陛下との謁見、その後に隣国からの特使との会談、さらに……」

受付嬢のサオリが、事務的ながらもどこか誇らしげにスケジュールを読み上げる。彼女の視線は、もはや一人の冒険者を見るものではない。自らが作り上げた「最高傑作マスターピース」を愛でるような、狂気的な所有欲が混じっていた。

「サオリさん……僕、風邪引いたみたいなんだ。全部キャンセルできないかな?」

「ふふ、リアム様。あなたの冗談はいつも高度すぎて困ります。……その『万全ではないフリ』をして敵を誘き寄せる策ですね? 承知しました。警備をいつもの三倍に増やしておきます」

「違うんだ、本当に寝かせてほしいんだ……!」


一方その頃、地下深淵にあるムドーの隠し研究室。

ムドーは水晶球に映るリアムの姿を見て、満足げに喉を鳴らした。

18年前。ある村が魔物の大軍勢に襲われた。

阿鼻叫喚の地獄の中、ムドーはそこで「奇跡」を目撃した。魔力ゼロの少年リアムが、泣きじゃくる幼馴染の三――グレン、リリー、マリーを背後に庇い、立ち尽くしていたのだ。

襲いかかる魔物たちは、リアムに触れる直前、目に見えぬ力で次々と「消滅」していった。

(ホッホッホ……あの日、ワシは確信した。あの少年こそが、太古の邪神の残滓――**【虚無の守護霊】**に選ばれた依代であると。そして、彼を盲信する三人の子供たちもまた、依代の精神を安定させるための最良の『パーツ』であるとな……)

ムドーがあの日、四人を救い、マスターピースへと招き入れたのは慈悲ではない。すべては「最強の器」を飼育するための計画に過ぎなかった。

「ムドー様。リアムさんの身体、私の薬で順調に『改造』が進んでいますよぉ」

背後の暗闇から現れたのは薬剤師のアクア。

「彼の精液には、今や私の魔力触媒が混じっています。これを注ぎ込まれることで、女の子たちの忠誠心も、戦闘能力も、さらに跳ね上がっています。グレンさんも、リアムさんの余り香を嗅ぐだけで闘争本能が刺激されているようですしぃ」

「よろしい。……アクアよ、次は『発情』ではない。リアムに『神の全能感』を錯覚させる薬を投与せよ。奴が自分を最強だと信じ込んだ時、守護霊は真の覚醒を迎える」

アクアの眼鏡が、不気味な光を反射した。


夕刻。公務という名の「崇拝を受ける儀式」を終え、ボロ雑巾のように疲れ果てたリアムが部屋に戻ると、そこにはパーティの女性全員が待ち構えていた。

姉妹リリーとマリー、剣士カエデ、魔女イブ、そして白衣のアクア。

「リアム様、お疲れ様です! 陛下の前での立ち振る舞い、最高にクールでしたよ!」

マリーがリアムの腕を取り、服の上から硬くなった筋肉(恐怖で強張っているだけ)を愛撫する。

「……今日は私が一番に。リアム様の渇きを、私で癒やしてください」

カエデが鉄面皮を赤く染め、リアムの足元に跪いてブーツを脱がせる。

「馬鹿にするなぁ! リアム様の精気を取り戻すのは、私の魔力供給が一番なのだ!」

イブが強引にリアムをベッドに押し倒す。

「さあ、リアムさん。……アクア特製の『神の雫』、飲みましょうねぇ」

アクアがリアムの口に、ドロリとした黄金色の液体を流し込んだ。

「んぐっ……ぁ、あああ……っ!」

薬が回った瞬間、リアムの脳内に「無敵感」が突き抜けた。

(……あ、あれ? 僕、本当は強いんじゃないか? 昨日もグランをワンパンだったし、もしかして……僕は神なのか……?)

薬物による全能感。それがリアムの理性を焼き切る。

「……そうか。僕は、最強なんだ。……お前たち、僕を満足させてみろ」

「……っ!! リアム様……そのお声、その眼差し……っ! あああああっ、最高です!!」

リリーとマリーが、競い合うようにリアムの服を引き剥がす。

カエデが、自分に与えられた「神速」の舌で、リアムの内腿を丁寧に舐め上げていく。

イブは、リアムの指を自らの首に巻き付け、恍惚とした表情で絞められるのを待っている。

「アクア、もっと薬を……。この女たちを、一人残らず屈服させてやる」

「あはぁ! はい、リアム様ぁ! 最高の奉仕を始めましょうねぇ!」

その夜、リアムの私室は、阿鼻叫喚の快楽の地獄へと化した。

「最強の男」として錯覚させられたリアムは、五人の美女を相手に、獣のような猛々しさでその欲望を叩きつけた。

「ああああっ! リアム様、中が、中が壊れちゃう……っ!!」

「もっと……もっと汚して! 私を、貴方の奴隷にしてぇ!!」

イブのアナルはリアムの激しい突きによって赤く腫れ上がり、リリーとマリーは交互に注ぎ込まれる大量の「神の精液」で、腹部が膨れ上がるほどに満たされた。

カエデはリアムの足元で、彼の足の指をしゃぶりながら、自らの指で秘部を激しく掻き回し、何度も絶頂の向こう側へと飛んでいく。

夜が明けるまで、リアムの「神としての蹂躙」は止まらなかった。


翌朝。薬の効果が切れ、リアムは激しい頭痛と共に目を覚ました。

周囲には、快楽の果てに泥のように眠る、全裸の美女たちの山。

「……な、何をしたんだ、僕は……」

断片的に残る、自分が彼女たちを支配していた記憶に、リアムは顔を覆った。

(……最悪だ。薬のせいで、自分を強いと思い込んで……。本当はただの無能なのに!)

リアムが自己嫌悪に沈んでいると、部屋の扉がノックされる。

入ってきたのは、サオリだった。彼女は部屋の惨状を一瞥し、薄く笑った。

「リアム様、おはようございます。……良いお目覚めのようですね。……ところで、緊急の伝令です」

サオリが差し出した書状には、こう記されていた。

『聖騎士団ギルド【アヴァロン】、マスターピース・リアムに対し、王国の名誉を賭けた対抗戦を申し込む』

「アヴァロン……? 王国軍直属の、あのエリート集団が?」

「はい。グランさんを倒したことで、彼らは危機感を覚えたのでしょう。……彼らは、リアム様を『社会の秩序を乱す危険な力』と断定しました。……次なる戦場は、聖都アヴァロン。……敵は、王国最強の騎士団長です」

リアムの震えが止まらない。

だが、その背後で、リアムの「残り香」に当てられて槍を研いでいたグレンが、静かに目を開けた。

「……リアム様。……あの鉄クズ共、俺が全員、塵にしてやりましょうか?」

最強パーティの結束は、もはや神殺しすら可能なレベルへと到達していた。

リアムの意図せぬ「世界制覇」への道は、もう誰にも止められなかった。

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