シンデレラ妄想狂、の義姉<初期イメージ>
父を失った
母と姉と三人で身を寄せ合って生きていた
下流貴族の寡婦である母と、中流貴族のやもめの継父を親戚が娶せ、義妹が出来た
幼くして実母と生き別れた少女は、とても愛らしく、乳母たちによって腫れものの様に育てられていた
継父と母の間に男の子が生まれた
義妹の様子が急変する
母と弟を害しようとするので、一時処置として王都の別館に継父と母と弟が移る
姉と私で義妹の世話、というか諌め役をする羽目になった。しかし彼女の暴食は止められない
王都と領地を往復する日々に、継父が倒れる
当然、家計は火の車
食事が質素になる
その辺りで、義妹が流行りのおとぎ話を読む。
自分をその主人公になぞらえて、振舞い始める
体格を維持するには食事量が少なく、隠れて菓子を食らう
体格に見合う服がない為に使用人に楽な服を作らせたが、所詮素人裁縫、簡素なワンピースとなる
それを着て使用人の真似事をするが、家の中が滅茶苦茶になるだけ
注意されて拗ねて屋根裏に籠もり、閉じ込められたと吹聴する
義妹のそんな振舞いは、体調を崩した継父の心労をさらに増やし、とうとう儚くなってしまった
母は王都で弟の後見人として一時的に家督を引き継ぎ、家令に領地を治めさせた
かつかつの収入の中、義妹は昔からを知る領地を治めている家令から生活費を受け取り、暴食三昧
姉と私には生活費が回ってこなくなった
困窮した生活の中、夜会への招待状が届く
王族を含む上流貴族達が秋の娯楽に狩猟場へ来た為で、近隣の主だった領地の中・下流貴族達も招待されたのだ
生活の足しにと手仕事を引き受けていた姉と私は流行遅れの服を工夫して着用、お互いを精一杯飾り、気分転換に出かける
私達の苦労を見ていた使用人たちは協力して馬車だけは出してくれた
そこで王子に出会う
と、言うのも、私の服装が流行から外れていないながらも極端に露出が少なかった為、目を引いたとのこと
何故露出が少なかったかと言えば、義妹のヒステリーを、姉や使用人を庇い、一身に受けていた為
その日は最悪で、夜会に出られない(主に自己都合で)義妹が腹いせに靴にガラスの欠片を仕込んだため、足の裏は血だらけだった
壁の花として椅子に座っていた所をダンスに誘われる
明らかに身分の高い男性に誘われて、まさか足を見せる訳にもいかないのでお断りしずらく、痛みをこらえて踊った
ある時点で男性に感づかれ、別室に引き込まれる
足を検分し、手当をされる
靴を履いた時点で慌てて中のガラスを捨て、でも手当てをする暇も無いまま再び靴を履いた為に、少しガラスが残っていたらしい
男性に激しく叱られる
しゅんとした所をエロ方向へ持って行かれ、何とか逃れようとしたが、義妹の暴力の痕を見付けられる
驚く男から身を庇い、その場は事なきを得た
十二時の鐘が鳴り、問い質そうとする男性を靴を履かないまま振り切って、迎の馬車に飛び乗る
(一時の幻惑的な夜会の名残を胸に、再び苦痛の日々が始まる)
姉も似たような状況だった(聞けば王太子に口説かれていたらしい)が、問い質す男性から気になる事を聞いて、それどころではなかった
義妹は領地管理を任された使用人を通じて領民から搾取をしており、謂れのない暴力を振りかざしていたのを、誰かが王城に直訴したらしい
どうやら近々、調査が入るようだ
領地管理を任されている使用人を問い質し、何とか持ち直そうとしたが、義妹が暴れて捗らない
後日、立派な馬車が迎えに来て、事情をつまびらかにされ、義妹は幽閉、上二人はそれぞれの男性の元へ嫁いでいった
※※※作者コメント※※※
身に余るアクセス数に調子付いて、最初のイメージ・メモを投稿します。
ここまでイメージが固まっていたので、後は浮かんでくる場面場面をどう配置するかで悩んで、辻褄合わせに悩んで、集中力が切れないように発破をかけて……で、出来たのが「シンデレラ妄想狂、の義姉」です。ちなみに仮タイトルは『なりきりシンデレラ……の義姉』でした。
皆様のお時間をちょっと拝借して、少しでも楽しんで頂けたら光栄です。
蛇足は本当にここでお終いです。
ではでは。
また、いつか、どこかで。