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第4 たって、座って

家が近いので、まず遅刻をすることはない。 


俺は1年G組となった。高校生活の始まりだ。 




中学の卒業式はなんとなく終わった。卒業式当日に 


二次募集だか三次募集だかの願書を書いている奴もいた。


今書くのかと思ったが、自分は受かってよかったとも思う。 


卒業式の後の集まりには行かなかった。お呼びではないだろうし、 


人混みも嫌いだ。 


中学のときの制服をそのまま使えば、地球にもやさしいと思うが 


そうもいってられない。 




入学式はほんまにつまらない。硬い椅子に座らなきゃならん。ケツが痛くなる。 


入学式当日はそのまま解散したので、本格的な授業は今日からだ。 






「それでは これから皆さんに自己紹介をしてもらう。」 


いかん意識が飛んでいた。確か今はホームルームの時間だったか。 


担任は比較的若い男だ。しかし生え際が怪しい。AGAだろうか。 


自己紹介とは面倒だ。思わず窓をみると隣から声が掛かる。  




「えっと その…はじめまして ではないですよね?」 


何をいっているんだと思って振り向く。なんか見覚えがある気がする。 


「良かったです~ あの後受験できたんですね。 私少し心配しちゃって」 


よく見て、声を聴けば、替え玉受験の短髪ロリっ娘ではないか。 


「あ  どうも」 


「隣同士になるなんて、すごいですよね! 私もビックリです 


あ しゃべりすぎちゃったかも ごめんなさい」 


「まぁ 好きなだけ話せばいいのでは」 


「…」 




会話は途切れた。 




まさか自分にロリとの親和性があるとは思わなかった。意外だ。 


今からでもロリコンになれるだろうか。いやなっていいのか。 


でもなかなかの滑り出しではないだろうか。 




自己紹介が進んでいく。自分が座っているのは窓際の一番後ろの席である。 


自分の席の反対側から始まったので、自ずと最後の方になる。 


俺は人の名前と顔を覚えることが苦手だ。呼ぶことのない名前を覚えることは 


無駄だと思う。 




自分の番が近づいてきた頃、問題が発生した。


 


たってきてしまった。いわゆる海綿体である。


 


まだこの制服を着慣れていないということか。なんか変なところが圧迫される。  


どうしたものか。 


いや待てよ 更なる問題がある。 自分の自己紹介は、隣のロリの 


直後になるはずだ。 


このままだと俺は、初対面のロリをみて催した男になってしまいかねない。


それはマズいのではないか。ロリコンは、遠きにありて思ふものだ。 


そもそも俺はまだロリコンではないはずだ。名誉毀損だ。 


第一、折角ロリと親睦を深めたというのに、それが灰燼に帰す 


ことになってしまう。 


考えるほど、息子の硬度は増す。ポジショニングでどうにかなるだろうか。 




「はい どうもありがとう。 次の人どうぞ」 


自分の番が来てしまった。座ったままでは済まされない。 




「はじめまして。Yといいます。 よろしくお願いします。」 


下腹部の硬化を悟られぬように、下半身は窓側に向け、とにかく腰を捻る。 


さながら派手な三振を喫した左打者だが、そこまで違和感はないはずだ。 


無難に着席する。息子も落ち着きを取り戻しつつある。 


教室に異様な空気が流れたような気もするが、こういうことは主観面が大切だ。

 


なにがともあれ、緊急事態に粛々と対処することができた。 




隣が少し小声で話しかけてくる。 


「……Y君って その  面白いね。」 




努力の甲斐があった。ロリとの親睦は損なわれていない。 




高校は、それなりに面白いところかもしれない。

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