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乙女ゲームの概要は以下の通りである。下町で育ったヒロインちゃんがある日、突然王宮に召し上げられる。それは彼女に特別な能力がるとお告げが出たためで。ヒロインちゃんは、弟と引き離され王子の侍女として王宮に暮らすことになる。
やがて賢いヒロインちゃんを気に入った王子は、自身の婚約者よりもヒロインちゃんを愛するようになりーー…と言うのがテンプレ王子ルートだ。その他にも王宮を出入りする宰相の息子、騎士団長、悪役令嬢の執事ルート、そして暗殺者ルートがある。
どれも何故〜かベアトリス・モリアーティが悪役令嬢として登場するという、私にとっては破滅的なストーリーだ。
完全なるオーバーワークであるモリアーティ家の一人娘。
(王子や我が家の従者ルートはまだしてもな・ん・で、宰相の息子や騎士団長にも首を突っ込むかな〜、私)
もう悪役令嬢はヒロインちゃんルートでも開放しているんじゃないかというお邪魔虫っぷり。
「笑えないわよ、本当に」
王子ルートは婚約破棄からの断罪。宰相の息子ルートは我が家の悪行がバレて、騎士団長ルートは捕縛されて、ジェームズルートは彼の密告により以下同文。そしてそのどの悪役令嬢の最期に関わってくるのがネロなのである。
あれはもう断罪じゃない。私刑だ。しかも自業自得の。
幼い頃からネロを野良犬扱いしていた彼女は、成長したネロに殺される。
(モリアーティ家がトラウマ製造機過ぎるのも問題だわ)
最初は彼とお友達になったら解決!って思ってたけど、そう上手くはいかなそうだ。
(それにしても、アドラーお兄様が我が家の内情に詳し過ぎたわ。どこから情報を得ていたのかしら)
ジェームズは今のところ裏切り者の片鱗を見せていないし、差し詰めバトラー辺りと仲の良いお兄様のことだ。情報源はそこからかもしれない。
(周りにネロとのことが広まっている?)
ざわり、と嫌な予感がした。




