表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/22

17※アドラー視点


 赤くなった耳朶。その反応に満足しながら、ふと視線を後方へ流す。御者台。そこにいる青年は、微動だにしていなかった。——いや。

(凄い殺気だな。庭師としては失格なくらいに)

 手綱を握る指先。わずかに白くなるほど力が入っている。さっきから聞こえていた破壊音も、おそらく偶然ではない。

(なるほど)

 口元が、わずかに緩む。

(随分と分かりやすい)

 感情を殺しているつもりなのだろう。主人の前で取り乱すことを、良しとしない躾けられた犬。けれど——

(視線が素直すぎる)

 一瞬だけ、目が合った。冷たい。だがその奥にあるのは、はっきりとした敵意。

(僕に向けているのか)

 面白い。くすり、と喉の奥で笑いが零れそうになるのを抑える。

(番犬、か)

 いや——

(飼い主以外には懐かない野生の、猛犬)

 再び視線をベアトリスへ戻す。何も気づいていない、という顔をしている妹。その背後で、静かに熱を孕む存在。

(退屈しなさそうだ)

「……さて」

 何事もなかったかのように声を整える。

「アイリーン。話は聞いてたよね。お姫様がお呼びだよ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ