表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/22

14


「さて、貴方の処遇をどうしましょう。このまま、番頭に引き渡して〝処分〟してもいいのだけど」

 私は顎に指を当てて首を捻った。なんて悪役らしい仕草かしら。

「よりにもよってこのモリアーティ家の庭に潜入してきた度胸は買いたいところだわ。貴方、目的は何?」

 ネロに頼んで拘束した暗殺者を私は見下ろす。彼は地面に這いつくばり、ネロに刃物を向けられている。

「あんた、王族と毎月出かけているだろ。あの腹黒王子様だよ。俺はあいつと話をつけたいんだ」

「腹黒…貴方、随分な度胸ね。仮にもお兄様はこの国の第一王位継承者よ」

 ふん、と鼻を鳴らす暗殺者。まぁ、随分とならず者だこと。

「俺の名前はウィキンズ。あんたは誰のことを言ってるかわからないかもしれないが、ーー王子付きの侍女をしているアイリーン姉さんの弟だ」

「!?」

「姉とは小さい頃に引き離されて以来、会えていない。俺は俺から姉を奪った奴等を許すことができない。だから盗賊の〝赤毛同盟〟の作戦に加担したのさ」

「作戦?赤毛同盟?どう言うこと」

「さあね。これから先の情報をあんたに漏らすメリットがないからな」

 グッと彼の後頭部を抑えるネロの力が籠る。「ネロ」と私はそれを短く制した。

「ねぇ、ウィキンズ。取引をしましょう。わたくし、とっても貴方に同情したわ。貴方の姉を取り戻したいのでしょう?」

「お貴族様が平民の話を間に受けるって言うのか」

「うーん、普通に考えたら荒唐無稽な話よ。だけどね、わたくし〝赤毛同盟〟って名前に物凄〜く嫌な予感を覚えるのよ」

「へえ、そりゃまたなんで」

「女の勘よ」

 ふんと顎を逸らすと、ウィキンズはぽっかりと口を開けたまま固まっていた。まぁ、わからなくもないわね。私だって前世の記憶がなければ、こんな展開受け入れれなかったでしょうから。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ