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詰み

「おら!避けてんじゃねぇよ!」

「攻撃をされて避けないわけがないじゃないですか」


俺と桜さんはPK集団に襲われていた。レベル差は軽く見積もっても10はある。俺と桜さんのレベルが25なので相手は35はあるだろう。ここまでのレベル差があると一撃くらっても致命傷だ。そのため油断することはできない。ただ相手も技術があるわけではない。ある程度の知識や技はあるらしいが、俺や桜さんレベルの技術は持っていないらしい。レベル差を埋めるにはそれを駆使していくしかない。


「チッ!」


俺は避けながら相手が少しでも隙を晒した瞬間に斬っていく。微小とはいえどダメージ自体は入っていく。これを続ければ勝てる見込みはある。問題は動いていない男。俺と桜さんは一人一人相手をしているが、三人目の男は微動だにしていない。仲間がやられているのをただ茫然と見ている。だが防具や武器などを見るにこの二人よりレベルの高い魔法使いのはずだ。


「そこの人は来ないんですか?」

「…」


《なんだ、あいつ》

《あれ、どっかで見たことあると思ったら、PKギルドのキラーズに所属してる幹部のレグじゃね?》

《マジ?》


『有名人なんですか?』


《かなり強いらしい。攻略組やガチ勢の中にいても遜色ないレベルって聞いたことある。》

《動画とかないから噂レベルだけどね》


『へぇ』

「無視してんじゃねぇ!」

『これは余裕の表れってやつですよ』


桜さんもかわしザマに合わせて相手を斬っている。そして10分後には俺たちは無傷に対して相手はボロボロになっていた。


「クソガァ…はぁ…はぁ」

「…もういい。残りは俺がやる」

「やっと出てきましたか」


この三人の中でもあいつがトップということだろう。二人が後ろに下がる。


「なかなかやるようだが、その程度では超えられない壁を思い知らせてやる」


瞬間魔法陣が展開、炎の矢が俺たち目掛けて発射された。かなりのスピードと威力、俺と桜さんはギリギリで躱わす。


「まだだ」


次は地面の土が一気に泥に変わった。足場が取られる。


「これで終わりだ」


上空に無数の魔法陣が展開された。


『あちゃあ…これは詰みかな?』

「まだ諦めるには早いですよ」


《え?》

《ここからでも入れる保険ってあるんですか?》

《あまりカッコつけるなよ、惨めに見えるぞ》


「視聴者の方々も諦めるのが早いですね。まだここからですよ」

「ふん…戯言だな」


瞬間大量の炎の矢が降り注いだ。絶対不可避に思える攻撃。だがまだ詰みではない。


・・・


 大量のファイヤーアローを使った。足場もちゃんとしないあの状況であれを避け切るのは不可能だ。技術はあるようだったが、それでも埋められないもの。それは手数の速さだ。俺はその二つにおいて相手より優れていた。結果俺が勝ったのだ。霧が徐々に晴れていく。その時、俺は目を疑った。


「なぜ…」


無意識だった。声が出ていた。


「何故生きている!」


そこには殺したはずの男と女が立っていたのだから…

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