おじいちゃんとの出会い
学校が終わり子供部屋のベッドの上に寝転んで天井を見上げる僕は孤独感でいっぱいになった。
お友達がほしいなぁ・・・
でも、遊ぼうって声をかける勇気がないんだ・・・
どうしたらいいんだろう・・・・
そうだ!!この前 “未来の自分に合わしてくれる” って言ってくれた妖精さんに相談しよう!!
妖精さ~ん!!
・・・・・・
・・・・・・
そんな都合よく現れてくれるわけないかぁ・・・・
あきらめて、布団に潜り込もうとした僕の前に “ふゎっ” と温かい空気が流れ込んだ。
「こんにちは、久しぶりだね!!」
「あっ 妖精さん。来てくれたんだぁ。あなたは誰なの?」
「僕かい? 僕は時空神 “ミーサー”っていうんだ。特技は時空を行き来することさ!!」
「未来にも行けるの?」
「そんなの簡単だよ!!」
「じゃあ、僕を未来に連れて行ってよ!!」
「ん? なぜ未来に行きたいの?」
「それはね、大人になった僕はきっとお金持ちになって人気者で楽しい生活を送っているはずなんだけど、今は1人もお友達がいなくて、本当にそんな自分になれるような気がしないんだ。だからおじいさんになった僕にどんな人生を送って来たのかを聞いてみたいんだ」
「いいのかい? 未来が分かってしまうと今後の人生とってもやりにくいよ」
「心配してくれてありがとう。でも大丈夫。今会いに行かないと、とても不安な毎日を過ごすことになるから」
「後で後悔しても知らないからね・・・。 僕のおでこに手のひらをかざしてみて」
「うん!!」
まわりが薄暗くなり、キラキラと虹色に光る星のトンネルを抜け、僕とミーサーは遠くにひときわ明るく見える強い光に向かって一直線に走り抜けた。
「ここはどこ?」
「病院だよ!!80年後のりょうちゃんは、病院のベッドの上で一生を終えるんだ」
「そうなんだ。なんか複雑な心境・・・。 まっ、いいか。 未来の僕に会いに行こう」
期待感に胸を弾ませながら病室のドアを開けた。
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
「お おじいちゃん??」
「ん? だれじゃ?」
「僕は、過去から来た子供の頃のおじいちゃんだよ」
そんな馬鹿な・・・・
「本当かい? 本当に君は子供の頃のわしかい?」
「信じられないと思うけどおじいちゃんが言う通りだよ」
おー、面影がある!!
わしじゃ、わしじゃ!!
おじいちゃんの目が一瞬にしてやさしくなり、僕を強く抱きしめた。
「痛いよ。おじいちゃん、そんなに強く抱きしめると息が出来ないよ」
「ごめん、ごめん。あまりにも懐かしく、そしてかわいくてのう。 ん? なんじゃそのモコモコした綿あめみたいな生き物は?」
「綿あめ?? 失礼な。僕は時空の神様“ミーサー”だ。りょうちゃん、つまりあなたをここにつれてきてやったのだぞ。言葉を慎め!!」
「アハハ!!すまん、すまん。こんなに笑ったのも久しぶりじゃ。 で、なぜりょうちゃんはここに来たんだい?」
「あっ そうだった。あのね、僕は今友達が一人もいないんだ。そんな僕が将来立派な人になるっていう夢を叶える事ができるとは到底思えないんだ。だからおじいちゃんに会って、どんな人生を歩んできたのかを聞いて安心したいんだ。実際の所おじいちゃん、僕は立派な人になれるの?」
「う~ん、ごめん。今はそれは答えられないよ。未来が分かってしまったらつまらない人生になるじゃろ」
「どうしても教えられないの? 」
「そうじゃのう。でも、アドバイスぐらいならできるぞ。何でも相談してみなよ」
「じゃあ、質問するね。僕は友達がいなくてとても寂しい思いをしているんだけど、友達を作るために話しかける勇気がわかないんだ。どうしたらいいの?」
「そうじゃな。これは子供の頃の話じゃが、わしが1人で遊んでいると上級生が一緒に遊ぼうと誘ってきたんじゃ。わしはしぶしぶOKしたのじゃが、そのうちその上級生と遊ぶことが楽しくなってきて多くの時間をその子と過ごすようになったんじゃ。するとその上級生の友達とも自然と仲良くなり、一気に友達が増えたという出来事があったんじゃ。りょうちゃんの住んでいる世界に戻ったら、人からの誘いを積極的に受けてみたらどうじゃ」
「なるほど!! おじいちゃん、それやってみるよ!!」
素直な返事をする幼い頃の自分を、おじいちゃんはニコニコとしながら見つめていた。
「りょうちゃん、そろそろ戻ろうか。これ以上この世界にいたら現実に戻れなくなってしまうよ」
「うん!!じゃあ、おじいちゃんまた来るね!!」
手を振りおじいちゃんに別れを告げた僕を、ミーサーは現実の世界に連れ戻した。




