お婆ちゃんがくれたおはぎ
次の日の朝、日曜日という事もあって、僕はマー君と美月ちゃんと隣町で上映している映画を見に行く約束をしていた。3人で最寄りの駅で待ち合わせの時間を決め、少し早く着いた僕は切符を買って2人の到着を待っていた。
すると、高齢のおばあちゃんが困った様子で立ち尽くしている。
「どうしたの? おばあちゃん? 」
「ここから3つ先の駅まで行きたいんじゃが、切符の買い方が良く分からないんだよ・・・」
「それなら僕が買ってあげるよ」
おばあちゃんの手を引き券売機まで行くった僕は、目的地までの切符を手早く手配してあげた。
「すごいね。君は何年生だい?」
「小学校3年生だよ。 鉄道が好きでどの電車に乗ると、どこに着くってすべて分かっているんだ。すごいでしょう!! 」
得意がる僕を見つめおばあちゃんは、やさしそうな笑顔で褒めてくれた。そして友達を待っていると言うと、おはぎを人数分手渡してくれた。
「ありがとう。おばあちゃん、またねー」
おばあちゃんは、駅員さんに自分がこれから乗る電車の乗口を聞き、電車のホームに向かって歩き出した。おばあちゃんの姿が見えなくなるまで手を振って見送りをした僕は、とてもうれしそうにしていたおばあちゃんの顔を思い出すと、なんだか幸せな気分になれた。
「おーい!!りょうちゃん!!」
遠くから手を振り、マー君と美月ちゃんが僕の所に走ってきた。
「マー君、美月ちゃんこれ食べよう!!」
おばあちゃんにおはぎをもらった経緯を話しつつ、僕らは映画館へ向かった。
美月ちゃんが選んだアクション物の映画は、とてもスリリングで興奮した。
帰りの電車の中では、マー君が映画評論家となって美月ちゃんと僕に感想を求めてくる。美月ちゃんは、映画の感想を優秀なアナウンサーのようにきっちりとレポートした。
さすが学年一の秀才・・・・
その姿に、マー君と僕は見とれてしまった。
家に着いた僕は、とりあえず子供部屋に向かいベッドに横たわった。
勉強しないといけないという葛藤はあるものの、どうもやる気が出ないのだ。
どうしよう・・・・
僕がボソッとつぶやくと、温かい風が流れ出した。
「また悩んでいるのかい?」
「あっ ミーサー。久しぶりだね。人生はつらいね、悩みばかりさ」
小学3年生の僕が言ったそのセリフが、滑稽だったのかミーサーは大笑いした。
「なんだよ。そんなに笑わなくてもいいじゃないかぁ」
ふてくされる僕に、 「おじいちゃんに会いに行く?」と提案してくれたミーサーは、いつもベストタイミングで現れてくれる。しばらく会っていなかったおじいちゃんに報告もあったので、喜んでその誘いを受けた。




