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挫折ばかりだった僕が立て直した人生  作者: 桜影 はる(さくらかげ はる)
14/30

パパとママの笑顔

「ただいまー 」


家に帰ると、リビングでくつろいでいたパパが僕の変化に気付いたようで、「なんかいいことがあったのか?」と問いかけてきた。


僕は、美月ちゃんの家でホットケーキをごちそうになった所から、雄二君に遊びに誘われたこと、喧嘩をしていた浩二君と宏君と仲直りをしたことやクワガタ取りに行ったことを丁寧に話した。


最後の問題が解決したことにホッとしたママは、夕食の準備をするためにキッチンに行くと言いながら又、涙目になっていた。


“ママ、心配かけてごめんね”


そう心でつぶやきながら、僕は子供部屋に戻ってベッドに寝転んだ。


今日は本当にいい日だったな。

浩二君と宏君は、クワガタを大切にしてくれるかな。

パパもママも心配かけてごめんね。


そんなことを考えていると、“ふわっと”温かい風が吹き込んできた。


「あっ、ミーサー。ちょうどいい所に来てくれた。今日の出来事をおじいちゃんに報告したいんだ。今から連れて行ってくれない? 」


「そう来ると思ったよ。じゃあ行くよ!! 」


ミーサーの額に手を当てた僕は、時空の壁に吸い込まれていった。

いつもの光り輝くきれいな時空を超えるとおじいちゃんの世界に着く。


病室のドアを開けると、おじいちゃんはテレビを見ながらくつろいでいた。

僕は挨拶をしたのち、おじいちゃんの教え通り行動して学校に行けるようになったことと、浩二君と宏君と仲直りができたことを報告した。

おじいちゃんは、僕の良い報告を歓迎してくれ、そして喜んでくれた。


しばらく沈黙が続いたあと、おじいちゃんはこう話始めた。


「ところで、りょうちゃん。君はなぜ抱えていた問題が解決したのか考えたかい?」


「考えたよ。浩二君のお兄ちゃんの雄二君が僕をゲームに誘ってくれて、浩二君と宏君と一緒に遊べる空間を作ってくれたからだよ!!」


「じゃあ、なぜ学年も違うそんなにも親しくない雄二君が君を誘ってくれたんじゃ?」


「???」

「えっ。なんでだろう?」


「りょうちゃん、いつも言っているように深く考える癖はつけないといけないよ!!そうしないと思考が停止してしまうんじゃ。まあ、あせらずよく考えてみな」


「ごめん、おじいちゃん」


えーと。雄二君との出会いは、美月ちゃんの家のホットケーキパーティだったな・・・・

でも、なんで美月ちゃんの所に雄二君がいたんだ??


うーん


おじいちゃんは、ベッドわきにあるお茶を一口飲んだ後、困っている僕を見かねて「美月ちゃんとの出会いから考えてみな」とヒントをくれた。


えーっと、えーっと・・・


美月ちゃんとの出会いは、僕が学校を休んでいることを心配してくれたマー君が遊びに誘ってくれた日の鬼ごっこがきっかけだったな・・・・


美月ちゃんは僕が鬼に捕まらないようにかばってくれ、親しくなったんだ。


そんな美月ちゃんは、マー君と一緒に僕の心配事を聞いてくれたよな・・・・


浩二君と宏君とうまくいってないことを相談したら、美月ちゃんは“私たちに任せて”って言ってくれたんだ!!


・・・・・・・

・・・・・・・


ん??

そうか!!

そういうことだったのか!!


「おじいちゃん。分かったよ。美月ちゃんの狙いは、僕と浩二君との仲を取り持つように雄二君に働いてもらう事だったんだ。そのためにホットケーキパーティーを開いて僕と雄二君が出会うきっかけを作ってくれ浩二君との仲直りの場を作ってくれたんだ!!美月ちゃんとマー君がいろいろと考えてくれて僕のトラブルを解決してくれたんだね!!」


おじいちゃんは、やさしく僕の頭をなぜてくれた。

そして、静かな口調でこう話し始めた。


「りょうちゃん、君を悩ました出来事は同級生とのトラブルじゃ。小さなりょうちゃんを悲しませたり苦しめたりしたこのトラブルは、大人でも逃げたくなるような出来事じゃ。そんな悩みを解決してくれたのは、仲間の存在なんじゃ」


「仲間の存在?」


「そう、仲間の存在じゃ。困ったことがあったら自分の事のように心配してくれて解決策を考えてくれたり、やさしさや人のぬくもりをくれたり、笑いや安らぎやガッツをくれたり、知恵やチャンスをくれるのは全部仲間なんじゃよ」


「自分を幸せにするすべての物は仲間がくれるってことだね!!」


おじいちゃんは、ベッドから起き上がり僕のほうを向いて座った。

そして、僕の目をしっかり見つめやさしい口調で話し始めた。


「そういう事じゃ。人生を歩んでいく上での幸せは必ず仲間を通してやってくる。だから仲間を大切にできない人は決して幸せにはなれないんじゃ」


おじいちゃんは、目の前で成長をしていく僕を見てうれしそうに微笑んだ。


「りょうちゃん、なんか顔つきが変わったね。たくましくなったよ!!」


「あっミーサー。いたんだ」


「ずっとここにいたよ。そんなに僕をからかうのだったらこの世界に置いていくよ」


「ごめん、ごめん、冗談だよ。おじいちゃん、いろいろと話せてよかったよ。また来るね。ありがとう!!」


僕はおじいちゃんに別れを告げ、ミーサーと現実の世界へ戻った。


子供部屋に戻ると、“ご飯ができたから降りておいで”とママが声をかけてくれた。僕は夕食を食べるため、リビングに降りるといつもより豪華な夕食が準備されていた。色々と走り回りおなかがペコペコだった僕は、たくさんおかわりをした。

パパもママも元気になった僕の姿がうれしかったようで、自然と会話が弾み話題の尽きない楽しい夕食の時間となった。


「ママ、もう一本ビールくれない?」


「はーーい!! 」


いつもなら小言を言うママが、明るい返事をしてビールを取りに行った。


僕とパパは驚いて顔を見合わし、そして2人で笑った。


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