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挫折ばかりだった僕が立て直した人生  作者: 桜影 はる(さくらかげ はる)
12/30

仲良しができた喜び

次の日僕は、昨日よりも軽い気持ちで教室に入ることができ、あの2人を除いては、すべてのクラスメートとあいさつを交わすことが出来た。昨日よりも雰囲気も良く、今日こそ友達もできるかと思ったが、現実はそこまで甘くなく、その後は数人のクラスメートと軽い会話をした程度で、それ以上は何も進展もなく相変わらず1人で過ごしていた。


やっぱり、1人はさみしいな・・・・

友達がほしいよう・・・・


そう思って、落ち込んでいると急にドアが開き「おーい!!りょうちゃん、数日間学校に来てなかったって本当? 俺、全然知らなかった!!」と大声でマー君が教室に飛び込んできた。


「もう、マー君はデリカシーがないなぁ・・・。どうしたの、ここは2年生の教室だよ」


「知っているよ。今日学校が終わってから公園で遊ぶ予定なんだけど、りょうちゃんも来なよ」


「うん!! じゃあ4時にその公園に行くね」


その返事を聞いたマー君は、満足そうな顔をして自分の教室に戻って行った。


「あれ、まさし君じゃない??なぜりょうちゃんの所に来たの?? 」


マー君が部屋から出て行ったあと、教室内の女子が騒ぎ出した。どうもマー君は女子たちのアイドル的存在のようだ。


「りょうちゃん、さっき公園でまさし君と遊ぶ約束をしていたね。私達も連れて行ってくれない?」


「いいよ。じゃあさっき言っていた公園に4時に集合しよう!!」


「キャー うれしい!!でも まさし君嫌がらないかなぁ‥・」


「アハハ!! マー君はそんな細かい事は全く気にしないから大丈夫だよ」


そうだ!!

僕は、ここで初めてのチャレンジをしようと考えた。

それは、自分から遊びに誘うという事だ。


「太一君、翔太君もどう? マー君大人数だったらすごく喜ぶんだ!!」


「えっ 僕たちも行ってもいいの?」


「もちろんだよ!!」


4時になると公園には、僕たち2年生は5人集まってきた。


「よう!!りょうちゃん。いっぱい友達をつれて来たね!! 」


マー君は2つ年上だ。4年生の仲間を5人連れてきたが、その中には女子もいた。


「マー君、何して遊ぶ」


「そりゃ、鬼ごっこに決まっているだろ」


なぜ鬼ごっこに決まっているのかは分からなかったが、マー君は多くのメンバーが集まった事でテンションが最大限に上がってしまい、自ら鬼を名乗って公園中をうれしそうに走り回った。年上だけどなぜか憎めないマー君のそんな所が僕は大好きだった。


4年生と2年生が合同で鬼ごっこをすると、必然的に4年生が僕たち下級生をかばってくれる。不思議なことに、年上の女子はさらにその傾向が強い。4年生の美月ちゃんは、いつも僕のそばにいて鬼に捕まらないように助けてくれた。


「美月ちゃん。ありがとう!!」


僕がそう言うと、美月ちゃんは「うん!!」とうれしそうに答えた。

美月ちゃんは長女でいつも弟の面倒を見ているとの事だ。だから、年下は守らないといけないとの思いが根付いているのだろう。1人っ子だった僕は、姉が出来たようで本当に嬉しかった。


その日は、そこにいたメンバー全員で「楽しかったね!!また遊ぼう!!」と口々に言い夕方の6時に公園を後にした。


次の日の朝学校に行くと、太一君、翔太君が「昨日は楽しかったね!!」と声をかけてくれた。そして、その日は一日中3人で過ごすことができた。


学校が終わり家に帰ると、ママが準備をしてくれたおやつがあった。僕は、いつものようにおやつを食べながらテレビを見ていると、玄関のチャイムが鳴った。


「はーい!!」

「あっ、太一君、翔太君!! どうしたの?」


「なに言ってるんだ、りょうちゃん。遊びにいこうぜ!!」


太一君が、満面の笑顔でそう答えてくれた。僕は、とっても嬉しかった。

なぜなら、マー君以外で僕の家に誘いに来てくれた友達はこの2人が初めてだったからだ。


「うん、待ってて!!」


僕は、そばにあったビニール袋に食べかけのおやつを詰め、あわてて着替えをしてから家を飛び出した。


「今日は、何して遊ぶの?」


「へっへんー。 実はいい情報を仕入れたんだ。学校の裏山でクワガタが取れるらしいんだ!!」


「本当??」


「兄貴が言ってたから間違いないよ!!」


翔太君が胸を張って答えた。

僕は、半信半疑だったが2人について裏山に登った。


「いいかい、りょうちゃん。木のくぼみを中心にクワガタを探すんだ。暗くて見えにくいところは、この懐中電灯で照らしながら探してみて!!」


そう指示を出してくれた公太君は、とても慣れた手つきで次々とクワガタのいそうな木の探索に向かった。僕は、そばにあった木のくぼみをのぞき込むと3匹のクワガタが木の蜜を吸っていた。


「あっ、クワガタがいた!!」


僕が大声で叫ぶと、2人が大急ぎで駆け寄ってきた。


「本当だ。すごいね、りょうちゃん!!」


そう言いながら、太一君が持ってきていた虫かごにクワガタを入れた。


その後は、僕がリビングから持ってきたおやつを3人で食べながらクワガタを探したが、最初に見つけた3匹以上の成果は出ないまま夕方になり、僕たちは裏山から下山した。


「3匹も捕まえたってすげーよ、りょうちゃん。見てみな、すべてオスのクワガタだぜ!!かっこいいねー」


太一君がそう言いながら、虫かごから3匹のクワガタを出して戦わせた。


「太一君、翔太君。よかったら、このクワガタを1匹ずつ持って帰らない?」


「えっ いいのかよ。りょうちゃん」


2人は驚いた表情で僕に尋ねた。


「いいに決まっているよ。その代わり飼育の仕方を教えてね!!」


そう言うと、3人が自分の好みのクワガタを手に取った。


別れ際、僕は「今日は楽しかったね。誘ってくれてありがとう」と2人にお礼を言うと、翔太君が「当然じゃん。友達だろ!!」と言って肩を組んでくれた。

僕もそんなことをしていいのか迷ったけど、太一君の肩に手を伸ばしてみると、太一君もがっしりと僕の肩を組んでくれた。


3人はそのまま、家に向かって歩き出した。


あ あるきにくい・・・・


細かいことが気になる僕は、別々に歩こうとは言い出せなかったけど、今日のこの出来事は、うれしくて、うれしくてたまらなかった。


しばらく歩くと、太一君が「また明日ねー」と言いながら自分の家の方向に向かって走り出した。

僕と翔太君もそこで、分かれてそれぞれの家へ向かった。


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