#EX4 見た目は信じちゃだめ、だ。
※このお話は#18よりも時系列が前のお話です。
「……ついに来たぞ、難波!」
聳え立つビル街、360°どこを見てもビル、ビル、ビル……その中には飲食店があったり、アミューズメント施設があったり、いろんな雑貨屋があったり……晃司くんとカラオケに行った今橋よりももっと都会だった。
「人多いっ……!!」
こんなものがあるんだとか、あれ写真で見たことあるところだとか、そういうのをすっ飛ばしてこの感想が出てくる。今橋の時とは比べ物にならない。何気にこの県の中では今橋しか行ったことないんだよね。大体の用事が地元や県内で済むし。
さあ、早速食べに行こうかな。この周辺には色々なアレの店が蔓延っているからね。
私は目的の店に向かって歩き出す。でもその前に人の多さにやられて体調不良になりそう…………あ、方向音痴のせいで道がわからないっ!
急いでスマホを開いてマップを検索する……はずだったけど。
「まって、充電5%しかない……」
飛んだミスを犯した。初めて来る場所でスマホの充電ないとか、致命的って言葉じゃ弱いほどやばい。充電のコンセント抜けてたのかな……!?とにかく本当にまずい。もう帰ろうかな……
焦って周りをキョロキョロしていると、そういう風にテンパっている私のところに1人の茶髪の男の人が寄ってくる。見た感じ私よりも年上に見えた。
「お姉さん、今1人?それとも誰かと待ち合わせ?」
「1人です」
「じゃあ良かったら一緒にご飯行かない?お姉さん可愛いし」
これがいわゆるナンパってやつなのか。普段だったら断るべきなんだろうけど私はそれどころじゃない。窮地に立たされているから。
「……わかりました。私今行きたいご飯屋がどこにあるのかわからなくて、それで迷ってたんで、道を教えてくれたらそこで一緒に食べましょう」
「おお、いいね。どこなの?」
私は場所を指し示す。それを示すと男の人は私の腕を引っ張ってその場所に向かって歩き出す。
腕を引っ張られるのは気に入らないしナンパも気に入らないけど、もうこれは仕方ない。今回ばかりはナンパに感謝しないと。
「お姉さんが言ってたところはこの辺かな〜 店名言ってなかったけどどのお店なのかな?」
「……アレです」
私は目当てのお店を指差す。それと同時にナンパ男がその店を二度見する。何かあったのかな?
「え?お姉さん本当にあの店?本当にあってる?」
「間違い無いです。前から行きたかったんですよ」
「えぇ〜 …………まぁとりあえず行こうか……!」
私はナンパ男に連れられて入店する。そして事前に調べたように食券を購入する。
今日は「小」でいいかな。まだそれより大きいサイズは私でも食べ切れる自信ないし。このためだけに昨日晩ごはん抜いて、さらに朝ごはんも抜いたからね。空腹で死ぬところだったよ。あのまま道に迷ってたら死んでたね。
よし、これでたっくさん食べれるぞ! 初めての二郎系!!
「お兄さんはどうされるんですか?」
「え、あぁ……じゃあ俺も『小』かな……?てかすごいね……お姉さん二郎系いけるんだ……?」
「もともとラーメンが好きなので。こういう流行りのメニューにも挑戦してみたかったんです」
そして私は予想を遥かに超える出来事に置いて行かれているナンパ男を置いて、前から決めていた通り、ヤサイとカラメをコールする。
こんな堂々と二郎系に来る女性は私だけだと思っていたが、店内を見渡すと思ったより女性が座っていた。
そして私の目の前に色々なものが盛りに盛られたカロリーの塊が置かれる。
「おおお……これが二郎系ラーメン……想像より遥かにクオリティ高い」
「……ヤバすぎだろ……(2つの意味)」
「いただきまーす」
私はさっきも言った通り2食抜いている私は、完全に好奇心の目で目の前にある具材を口に運ぶ。目の前でナンパ男がかなりドン引きしていることなんて全く気づかなかった。
野菜もしっかりしてるし、何よりスープが濃くて最高……本格度にこだわった個人店とはまた違う。やみつきになるね、これ…… 自称ラーメン評論家である私が太鼓判を押せる最高の一品だ。
私は正直食べ切るのに苦戦すると思っていたが、全然そんなことなく、むしろ余裕で食べ切れた。これなら次はマシマシにしてもいいかもしれない。
「ご馳走様でした」
「早っ」
「じゃあ私もう行くので、お金置いておくんで払っててください」
「お、おう」
私は一刻も早く出て行くべく、急いでお金を財布から取り出す。そして置くと同時に私はウサギのように逃げていった。
「よし、これでもう大丈夫。あの店からも離れた。じゃああとはお土産を買って帰るだけ……」
私はお土産を買うために駅へと向かう。はずだったが。
「あっ、……駅までの道わかんない……どうしよ」
2周目確定演出……?




