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死神機兵の太陽戦争ー煉獄のプロミネンスー  作者: 小説書こう


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7話自由への射出

通路の角から躍り出た警備兵たちが、容赦なく銃口をこちらへ向ける。


「動くな! 銃を捨てろ!」


警告の声が響き渡るが、彼らの指はすでに引き金にかかっている。躊躇すれば、次の瞬間には蜂の巣にされるのは俺たちだ。


(ここで止まってたまるか……!)


俺は一瞬の迷いも捨て、正確に引き金を引いた。鼓膜を裂くような銃声が狭い通路に反響する。俺の放った弾丸は、先頭の警備兵の肩と、その背後にいた男のを的確に撃ち抜いた。致命傷は避けたが、戦闘不能にするには十分だ。


「うわあああッ!」


悲鳴とともに崩れ落ちる警備兵たち。その隙を突き、俺はアイの腕を引きながら激しい硝煙の中を全力で駆け抜けた。背後から放たれた銃弾が、すぐ横の金属壁を削り、火花が激しく飛び散る。


「おじさん、あっち!」


アイが緊迫した声で指差した先は、格納庫直通の非常用ハッチだった。


「よし、飛び込むぞ!」


ハッチを蹴り開け、鉄製の階段を滑るようにして駆け下り、俺たちは第4格納庫の最上層プラットフォームへと飛び出した。

眼下には、純白の機体、アルテミス・レイが鎮座している。すでにコックピットのハッチは開放され、緊急出撃態勢のインジケーターが明滅していた。

そのすぐ傍らには、ユウマの《アルテミス・ノヴァ》も並んで係留されている。


(ユウマに追わせるわけにはいかない……!)


俺はレイのコックピットへ飛び込む直前、プラットフォームの制御パネルへと駆け寄り、ノヴァの機体中枢へと繋がるエネルギー供給ケーブルのロックレバーを力任せに叩き落とした。さらに、緊急用の安全弁を開放し、ノヴァの脚部スラスターへ繋がる推進剤の配管ラインを強制閉鎖する。

火花を散らすこともなく、ノヴァのメインシステムが一時的な緊急ロック状態へと陥る。再起動には確実なタイムロスが生じるはずだ。

再び、俺はアイの体を抱きかかえるようにしてプラットフォームからレイのコクピットへと飛び込んだ。


「アイ、座席の後ろにしっかりしがみついてろ!」


「うん……っ!」


ハッチが閉まるのと同時に、俺は操縦桿を強く引き、機体の全システムを強制起動させた。格納庫内に雪崩れ込んできた警備兵たちの銃撃が外部装甲を叩くが、すでにアルテミシウム炉は咆哮を上げ始めていた。


「どけぇぇぇッ!!」


カタパルトのロックを強引に引きちぎり、アルテミス・レイは月面基地の気密隔壁を内側から突き破って、漆黒の宇宙空間へと射出された。

背後に月面基地が遠ざかっていく。しかし安堵する間もなく、近接レーダーが異常な質量反応を捉えて激しく警報を鳴らした。

キィィィィィン――――……!!

まただ。あの脳を刺すようなアルテミシウム炉の不快な共鳴音が、正面から急速に迫ってくる。


(ユウマの機体は足止めしたはず!?)


暗黒の宇宙から姿を現したのは、ヒノモトの重装甲機タルタロス・ゲインだった。通信回線が繋がり、嘲るような声が響く。


『どこへ行くつもりだ、リーカス!我が連邦の最高機密であるその機体、そしてお前という兵器を、他国へ渡すわけにはいかんのだ!』


メインモニターに映し出されたのは、上官、エイドリアン・バロウズだった。

両肩に巨大なミサイルポッド、両腕に計四丁の重ガトリングガン、そして機体の重量を推進力に変える異常に大型化された脚部スラスターが、暗黒の中で不気味に輝いている。胸部で激しく明滅する炉の光には、俺を自らの手の中に繋ぎ止めようとするバロウズの底知れない「執念」が宿っていた。


『お前は私が作り上げた最高傑作だ! 連邦の、いや、私の栄光のために死ぬまで戦い続ける部品なのだ! ここでお前を回収してやる!』


冷酷な宣告とともに、バロウズ機の脚部スラスターが爆発的な光を放った。重装甲とは思えない恐るべき加速で、四丁のガトリングが凶悪な回転を始める。


「チッ……来い、バロウズッ!!」


俺は背後にいるアイの体温を感じながら、操縦桿を強く握り直した。

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