第22話:ただの雑用生だった俺が、学園の頂点に立つ話をしようか。
《アルカナ・グランフェス》決勝。
ステージは、学園の空中庭園《天球の間》。
そこに立つのは、学園の象徴――生徒会長、リューガ=ヴァレント。
「ユウト=ナガセ……君を最初に“排除”したのは僕だ」
「うん、覚えてる。俺のこと“才能の欠片もない雑魚”って言ってたよな?」
会場が静まり返る。
「学園は“才ある者が支配する場所”だ。君のような“運だけ”の存在に、座は渡さない」
「だったらその“座”、運で引きずり下ろしてやるよ」
試合、開始ッッ!!!
リューガのスキルは《支配因果》
→ 対象の行動結果を“固定”する能力。攻撃は必中、防御は絶対成功。
「これが“本物の才能”だ」
だが、ユウトは笑っていた。
「……そっか。“決められた未来”に縛られてるんだな、お前は」
――パンを投げる。
地面に落ちたそのパンが、反響で試合空間のバランスを“ズラす”。
リューガの必中攻撃が、ほんの0.1ミリ外れる。
「なっ……!? 俺の“確定”が……“外れた”……!?」
観客総立ち。
ユウトは一歩、前に出る。
「それが《強運》だよ。確定すら、書き換える」
「これが、俺の選んだ未来だ!!」
仲間たちの声が飛ぶ。
「ユウト!!」
「行けええええええええ!!!」
そして最後の一撃。
パンを踏み台にジャンプ →
ミラ姉さんが投げた岩に乗る →
セリーヌがすべってリューガの視線を逸らす →
アリシアの魔法が風の流れを変える →
ユウトの拳が、リューガの胸元に突き刺さる。
\ズドォォォォォォォォン!!!!/
「試合終了!! 勝者――ユウト=ナガセ!!!」
「“学園の頂点”、誕生ッ!!!!」
リューガは崩れ落ち、呆然とした顔で言った。
「どうしてだ……お前は……“選ばれなかった”のに……」
ユウトは、そっとパンを差し出す。
「だからさ。“拾ったんだよ”。ひとつずつ、な」




