第15話:強運とは何か。運命喰らいの真実
王都の空に異変が起きた。
深夜、誰もいない演武場の上空で、一つの星が音を立てて砕けた。
「……“観測外”が、覚醒した……」
王宮の占星塔で、蒼いローブの賢者がつぶやく。
「ついに……あの《運命喰らい》が、帰ってきたか……」
一方その頃、ユウトたちは再び招集を受けていた。
理由は、「魔王側が公式に“宣戦布告”してきた」というものだった。
「……え、王都杯の決勝は……?」
「一時中断だそうよ」
「いやタイミングィィ!!」
だが、すべては“奴”の意志。
世界の裏で、再び動き出した**“魔王”**。
その正体は、かつてユウトがかすかに記憶の中で見た影と――同じ存在。
「……あれが、俺の記憶の中で、人を襲ってた“あいつ”……?」
そして、王都評議会は正式に発表する。
「王都連合の代表として、最終戦線に立つのは……“チーム《強運》”とする」
「マジで!? 俺たち、半分パンと筋肉とツンデレでできてるんだけど!?」
作戦会議が始まる中、アリシアが語った。
「ユウト君……“強運”って、私ずっと運だけのものだと思ってた。でも違う」
「え……?」
彼女は手に、古の魔道書を持っていた。
《強運とは、未来の選択肢を“最も世界にとって不都合な方向”へ強制的に選ばせる干渉能力である》
「君の力は、“世界の選択”すらねじ曲げる。
それって……もはや運なんかじゃない。“運命の拒絶”なのよ」
ユウトの脳裏に浮かぶ。
これまでの奇跡の数々。パン。落とし穴。仲間の出会い。
「……俺、運だけで来たと思ってたけど」
拳を握る。
「違うんだ。俺は《強運》なんかじゃない。
俺のスキルは——《強制運命逆転》だったんだ!!」
その言葉と同時に、ユウトのステータス画面が一瞬だけ乱れ、こう表示された。
《スキル覚醒:運命喰らい(フォース・オブ・フォーチュン)》
世界が、最終戦へと動き出す。




