第11話:ぶつかる運命。最強チームVS強運チーム、開戦。
「次の相手……“白銀の牙”だって」
アリシアが資料を広げながら、淡々と告げた。
“白銀の牙”――王都最強の戦術チーム。
個々の能力はもちろん、戦闘連携・スキル運用・魔法干渉すべて完璧。
しかも、噂では**“完全無作為な強化効果”すら意図的に引き当てる運用術**まで持っている。
(え、俺の専売特許……まさか“戦術で運を上回る”ってこと!?)
「ふふっ、運ゲーで負けるとか……シャレにならないんだけど……」
──試合開始。
場所は、巨大浮遊アリーナ《ステージ・ゼロ》。
足場が狭く、重力干渉が不安定。戦術・バランス・瞬間判断が全て問われる――
「さて、運だけチームさん?」
白銀チームのリーダー格、“ガルド=ヴァレン”。
銀髪オールバック、隻眼、貴族系悪役のテンプレみたいな顔。だが実力は本物。
「ここで潰す。ここで散る。君たちに勝利など——」
\ズシャアアッッ!!!/
突然、床板が抜けて、敵チームの前衛が1人ステージ外へ真っ逆さま。
「っ!? 罠!?」
「……いや、あいつ、自分で立ち位置ずらしてたぞ!?」
(……俺がパン落とした場所だったな……)
「貴様ッ、狙ってやったのか……!!」
「い、いやほんと、ただ昼用に焼いたクロワッサン……」
それでも、残った“白銀の牙”は冷静だった。
戦術重ねて、精密な魔法連携、強化スキルと機動封印で次々に追い詰めてくる。
「ユウト! このままじゃ、ほんとに押し切られるわよ!!」
だけどその瞬間だった。
セリーヌが、俺の背中を軽く叩いた。
「……アンタの運、信じるわ」
「セリーヌ……」
「だから、いっけええええええ!!!!!」
(ええええ!?)
──俺が滑った拍子に飛んだ石が、敵の魔導士の杖を破壊。
その破片が、強化スキルの術者に直撃。
暴走した魔力が、敵リーダーを吹き飛ばした。
\ドォオオオオンッ!!!/
アリーナが半壊。
実況「ッッ!?!?! ま、まさかの……!」
審判「試合終了!! 勝者、チーム《強運》!!」
観客席「「「嘘だろおおおおお!!!」」」
「……これ、運だけで通る領域じゃねぇぞ……」
「いや、もはやこいつ……“運命そのものをねじ曲げてる”んじゃ……」
──勝った。
だけど俺の中で、初めて芽生えた疑問があった。
(……本当にこれ、運だけなのか?)




