表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕のSNSスキルが世界を書き換える〜傲慢令嬢はミュートされました〜  作者: にんじんさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
13/15

第13話僕たちの新しい街、僕たちの優しい国


 王宮の広いバルコニーから見下ろす街並みは、どこまでも穏やかに澄んでいた。

 行き交う人々は誰もが柔らかい笑みを浮かべ、広場からは子供たちの無邪気なはしゃぎ声が響いてくる。


 理不尽な税。横暴な権力。

 僕を「無能」と蔑んだ元婚約者も、実家の人間も、この国を裏で牛耳っていた宰相も、もうどこにもいない。あの時、僕の脳内画面で非表示ミュートにされたクズどもは、今頃どこかで、誰にも気づかれないまま孤独な終わりを迎えているはずだ。自ら蒔いた種だ。今さら思い出す価値もない。


「ルーク様、お待たせしました! これ、新しい役人の皆さんの制服の試作品です!」


 パタパタと小気味いい足音を立てて走ってきたのは、ニーナだ。わざわざ新しく立て直した大きな工房からここまできてくれた。

 手渡された上着は、王宮の格式を保ちつつも、驚くほど軽くて動きやすい仕上がりになっていた。かつて悪徳商人に奪われかけた彼女の技術は、今やこの国の「新しい基準」として、多くの仕立て職人たちを育てるまでに至っている。


「本当に素晴らしい出来だね、ニーナ。これなら現場の人間も働きやすいよ」

「えへへ、ルーク様にそう言っていただけるのが、私にとって一番のご褒美です!」


 ニーナは頬を少し赤らめながら、僕の隣で嬉しそうに胸を張る。


「ちょっと! 2人だけで盛り上がらないでよ、ルーク! 私だって、今日のために最高の新作を作ってきたんだから!」


 バルコニーの扉を勢いよく開けて入ってきたのは、シャロンだ。店て働きながらも、週に2回、王宮にきて、食事を振る舞ってくれる。彼女の料理はみんなに大人気だ。

 彼女が抱える大きなお盆の上には、湯気を立てる色鮮やかな料理がずらりと並んでいる。鼻をくすぐる濃厚なスパイスの香りが、一瞬で辺りを支配した。


「これね、この国で新しく採れるようになった野菜を煮込んだ特製スープ! これさえ食べれば、どんな疲れも一発で吹っ飛んじゃうからね!」


 シャロンが自信満々にお玉を突き出す。


 仕立て屋のニーナ、そして料理人のシャロン。

 かつて路地裏で出会った大切な彼女たちは、今や僕の脳内画面で、他とは比べ物にならないほど眩しく輝く、最上位の【生涯のフレンド(最愛の人)】として登録されている。


「ルーク様、お腹空いたでしょう? 早く食べましょ!」

「ああ、シャロンの作った飯は、いつでも世界一だからね」


 僕たちはテーブルを囲み、他愛のない雑談を交わしながら笑い合う。

 そこには、冷酷な力も、張り詰めた緊張感も一切ない。ただ、互いを大切に想い合う優しい時間だけが、静かに流れていた。

この時間が永遠に続けばいい、邪魔をする人はもういないはずだから。


読んでいただきありがとうございます。

評価とブックマークおねがいします。

次回もお楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ