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僕のSNSスキルが世界を書き換える〜傲慢令嬢はミュートされました〜  作者: にんじんさん


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10/15

第10話新たな領主の誕生


「待て。その税、私が代わりに払おう」


 広場に響く僕の声。

 兵士たちが一斉に振り返る。天幕の奥で、ハロルド伯爵が不快そうに目を細めた。


「なんだ、その身なりのいいガキは。その顔は…はっアルベイン家の落ちこぼれか。ふん、実家を追放された身で、この私に意見するつもりか?」



「意見じゃない。取引だよ、ハロルド伯爵」


 僕は歩を進め、驚く領民たちの間を通り抜ける。

 ハロルドの護衛が三名、即座に腰の剣を抜いた。鋭い鉄の光。だが、僕の視線が彼らの頭上を捉える。


 カチリ、カチリ、カチリ。

 三人の護衛の動きがピタリと止まる。


「……ん? 俺、なんで剣を抜いてるんだ?」

「腹減ったな。詰所に帰るか」


 護衛たちは武器を収めると、主君であるハロルドを完全に素通りして、のんびりと歩き去ってしまった。世界からミュートされたハロルドの存在は、彼らにはもう見えない。


「なっ……!? お前たち、どこへ行く! 戻れ、この私を置いていくな!」

 ハロルドが椅子から転げ落ちんばかりに絶叫する。


「無駄だよ。彼らにはもう、君の姿も見えないし、声も聞こえない」

 僕はハロルドの目の前に立ち、脳内画面の【領地所有権・爵位】の項目をタップした。


『所有者を【ルーク・アルベイン】に書き換えますか?』

【はい】を選択。


 カチリ。


 その瞬間、ハロルドが懐に持っていたはずの「領主の刻印」と「爵位証明書」が、まるで最初からそこにあったかのように、僕のポケットの中に現れた。

 それと同時に、ハロルド自身の名前の横にある【ミュート】を強くタップする。


「がはっ……!? な、何が……身体が……薄くなっていく……!」

 ハロルドの絶叫は、急激にボリュームを失い、ただの風の音へと変わる。彼の身体は完全に透き通り、地面に這いつくばったまま、誰にも認識されなくなった。


 兵士たちも、領民たちも、呆然と僕を見つめている。

 いや、僕ではなく、僕が掲げた「領主の刻印」を。


「本日より、この地の領主は僕、ルーク・アルベインだ。理不尽な税はすべて廃止する」


 広場に沸き起こる、割れんばかりの歓声。

 ニーナとシャロンが、信じられないものを見る目で僕に駆け寄ってくる。

 実家を追放されたはずの僕が、まさか一領地の主、貴族になってしまうとは。


「ええっぁ?領主様?。?」

驚く人たち

「ああ。さて、まずはこの荒れた領地を、僕たちの手で住みやすく作り直そうか」




読んでいただきありがとうございます。

ブックマークと評価をおねがいします。

次回もお楽しみに。

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