↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
22/28

番外編3:相手

「貴族ってのは、外面を気にするって話だが」


 ある日の午後、急にガルドが言ってきた。

 そわそわしているのか、小刻みな骨の音がしている。


「そうみたい。わたしはよくわからないから、例は挙げられないけど」


 急にどうしたんだろう。

 ガルドになにか言うようなひと、いないはずだ。

 レーヴィさんなら、理由も説明するはずだし。


「……その、抱きしめたいんだが、まずいのか?」

「わたしを?」

「他に誰がいるんだ」


 うーん。

 未婚の女性が異性と二人きりになるのは駄目。

 でも、わたしとガルドはそのうち結婚する。

 ただし、家の許可を得ていないから正式な婚約者ではない。

 この場合って、どうなるんだろう。


「悩むなら今はこれでいいぞ」


 どうしようか考えていたら、ガルドが手を伸ばしてきた。

 つなぎたい、ということなんだろうか。

 それくらいなら平気だろうと、手を上げると、きゅっと絡められた。

 骨っぽい。骨だから当然だ。

 体温的なものはないようで、少しひんやりとすら感じられる。


「人族の流儀はよくわからないからな、駄目なら駄目と言ってくれ」

「うん」


 わたしも頭では理解しているが、理由がよくわからない。

 でも、迂闊な言動で不利になるのは避けたい。

 それにしても、抱きしめたいとか思うんだ。


「ガルドって、今まで相手がいたことあるの?」


 がしゃん、と大きな骨の音。


「……急にどうした」

「だって、魔族は実力主義なんでしょ」


 つまり、強い個体は人気がある。

 動物はおおむね、強いボスにメスがついていく。

 ボス一匹にメスが数匹、なんていうのもある話だ。

 知性の低い動物と比較するのはよくないが、傾向は似ているだろう。

 それに、抱きしめたいとか思うってことは、過去にそういう経験があるのかもしれない。


「いや、惚れた相手に触れたいのは、どの種も同じじゃ……ああ、そうか、お前は少し違うか」


 悪かったな、と謝られて、それほどじゃないと返す。

 手も離そうとしたので、こっちからにぎって止めておいた。

 たしかに、知らない相手からだと嫌だけど、ガルドなら別だ。


 ……触る、というなら。


「あれ、じゃあ、生殖の本能もあるの?」


 がちゃん! とさっきより凄い音。

 頭蓋骨が外れるんじゃないかと思うくらいだった。

 ガルドの腰回りは見たことないけど、骨だけなら、生殖器はない気がする。


「お前……他の連中には絶対に言うなよ」


 細かな骨の振動をさせつつ、念を押される。


「ガルド以外と生殖行動する予定はないから、聞く必要はないよ?」


 魔族って一夫一婦なのかな、確認してないや。

 モグラ魔族は……聞いたら駄目かな、普通のモグラはどうだっけ?


「……そのへんの説明は西に行ってからするつもりだったが、魔法を使って子供をつくる方法は、ある」

「そうか、でなきゃ異種族だと子孫がつくれないか」

「まあ、大抵の種族は同類同士だがな」


 そのほうが妊娠・出産の危険度も少ないだろう。

 魔族同士は魔法で意思の疎通がある程度できるから、異種族でも話は可能。

 でも、番になるとなったら、色々変わってくるだろう。


「ちなみに、相手がいたことはないからな」


 なぜか強い口調で、念を押すように説明された。



 かわいそう枠はレーヴィだけだと思っていたら、そうでもなかった。

 頑張れ、男性陣。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
>web拍手<
 押していただけるだけでも励みになります。
― 新着の感想 ―
セレちゃん、もう少しだな、オブラートに包もうか!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。