第43話 乱れる心 止まらない衝動 ーーミア視点
ラムに願いを却下されたの。 安心したの、ラムありがとうなのーー
「⋯⋯ギヒヒ。 想定外なの。 ⋯⋯まさか、ミアの正体を先に気づかれていたなんて⋯⋯ これじゃあ、展開に盛り上がりがかけるの⋯⋯読者もガッカリなの」
そんなことを考えていると、ミリィがミアの体を探り始めたの。
やめて、そんなところ触らないで! ミアのドレスには、大切な宝物が入っているのよ。
そんなものを見られたら、ミアの計画が台無しになっちゃうわ。 ミリィ、あなたのその好奇心、とっても不愉快なの。
ねえ、そんなことよりもミアを見て? どんなにバレても、どれだけ邪魔されても、ミアの愛は変わらないのよ。 貴方だけは、ずっとミアのそばにいてくれるわよね?
「足元に、血の付いたナイフがあったです!」
「ミアのミステリアスゾーンに触れるなんて、なにを考えているの? ミアに触れていいのは⋯⋯アフゥ。 どこを触っているの? 痴漢姉妹なの! 共同作業でミアを犯すつもりなの!」
そんな汚らわしい手で、ミアの秘密を暴き出そうなんて許さないの。 ラム、その力ずくで押さえつけるやり方、本当に趣味が悪いわね。
ミアの武器を奪ったところで、みんなの運命はもう決まっているのよ?
ねえ、そんなにミアの身体を弄んで何が楽しいのかしら?
ああっ、そんなことより、ミアの愛しい人が見ている前でこんな格好なんて、もう我慢できないの! 早くミアを自由にして、貴方と二人きりの時間をちょうだいなの。
「シクシク、ミアは丸裸なの。 こんなのあんまりなの⋯⋯」
あ、貴方。 やっと、ミアのことを見てくれたのね。その瞳、その表情、ミアの心臓がずっと高鳴っているの。
涙なんて流さなくても、ミアの心は貴方のことで溢れているから必要ないのよ。
ねえ、そんなに近くで見つめられると、貴方の首筋に噛みついて、ミアだけの印をつけたくなっちゃうわ。
早くその手でミアを抱きしめて! 貴方に触れられるなら、こんな拘束なんてすぐに壊してみせるからーー
ーーあれ? 目の前にいるのは貴方じゃない。 キャスなの?
「⋯⋯なんのつもりなの?」
「ミア。 絶対に救ってあげるから!」
「⋯⋯救う? なにを言っているの? ミアが救われる道は、お前たち変態集団を倒すことなの⋯⋯」
救うだなんて、なんて身勝手な言葉なの。 ミアに必要なのは救済じゃなくて、貴方という存在だけなのよ。
みんながミアをどれだけ縛り付けても、ミアの心はいつでも貴方のもの。 そんな偽善的な優しさで、ミアを分かったような気にならないで!
ねえ、そんなにミアを狂わせたいの? それなら、ミアを救う代わりにその手でミアを壊して、永遠に貴方のものにしてちょうだいなの。
「⋯⋯ミアはミートを傷つけたの。 もう後戻りはできないの⋯⋯」
「できるわよ! だってミートは生きているから」
「⋯⋯そんな訳ない! 私はミートに嫌われたの!」
「ミアよ⋯⋯ヤンチャしたぐらいで儂は、ミアを見捨てないぞい!」
「そんな! ⋯⋯ミアやり直せるの?」
「⋯⋯そうよ。 だから安心して」
「ごめんなさい。 ありがとう⋯⋯」
ーーうぅ、あれ? ミート、本当にミアを見捨てないの?
あんなにひどいことをしたのに、温かい言葉をかけてくれるなんて! ミア、もう二度とミートを悲しませるようなことはしないって誓うの!
ねえ、起きたらまた、ミートの隣でずっと見つめていてもいいかしらなの?
◇◇◇
「ホホホホ。 ずいぶんと虚構人格が形成されておるのう」
「⋯⋯ファナイ。 いい加減にしてくれるかしら? さすがの私はこれ以上はミアの心を覗きたくないわ⋯⋯」
「⋯⋯フン。 まあ、いいサンプルだったわい。 キャスよ。 虚構とは性格の未設定から起こる現象じゃ。 ⋯⋯でも、ここまで定義すれば、ミアはもう虚構人格から脱したも同然じゃ!」
「⋯⋯本当に? よかった!」
「ホホ。 本当の問題はこれからじゃぞ? 治療は適切にのう⋯⋯」




