第31話 生命を賭けた戦い ーーキャス視点
そのあと、私はみんなと合流した。 私はプリンに衣服を託した。
「はいこれ〜 持っててね〜」
「ニャわわわ。 キャス! ハレンチだニャー」
「うふふ。 プリンちゃんってウブなんだ〜 今度優しくしてあげるね~」
私がそう言うと、プリンはハフハフ言いながら、私の服に顔を埋めるのであった。
そうよ! 私が求めていたのは、このリアクションよ! さすが、私のペットね、わかっているじゃない!
私はサキュバスの気持ちがわかるプリンに感心した。
一方、ミリィとラムはお互いに顔を見合わせていた。
「この状況で、なぜ衣服を脱いだのです? 守備力が下がるです!」
「お姉ちゃん⋯⋯ そういう問題なのかな?」
この二人の様子も、淡白なのよね。 ゆう君に毒されたみたいね。
サキュバスモードになった私は、再び上空へ。 すると、あちこちにオーガの死体が散見された。
どうやら、何者かがオーガを殺してまわっているみたいね。 あの時、逃してくれたオーガを思い出す。 どうか、無事でいてほしいとーー
私は上空を探索した結果、オーガを討伐した相手を見つけることができなかった。
しかし、森の出口はわかった。 みんなを誘導して、さっさとここを離れましょう。
「ふふ。 みんなお待たせ~ さあ、いきましょう?」
「ニャン! イキマスニャー」
「キャスお姉さん、わざといってるよね⋯⋯」
私たちは、歩き出す。 道中に転がるオーガの死体と、悲鳴を聞きながら。
それにしても、オーガね。 この様子だと、十体以上はいる。
そして、ボスオーガであるロルカ。 奴の姿も見当たらなかった。 アイツは本当に帰ったようだ。 きっと今頃、私のことを楽しんでいるに違いないわねーー
歩き続けてしばらく経った後、私たちは森の出口に到着した。 これで安心、そう思った瞬間、私の頭が警鐘を鳴らした。
隠しきれてない強い殺気、私は大剣を構える。
「誰? 姿を見せなさい!」
「⋯⋯白獣人族が二体に魔族が二体。 ⋯⋯ほう? 絶滅危険生物のサキュバスか? いい獲物だなぁ」
「⋯⋯!」
ーー獲物。 その言葉に、私たちは危機感をもつ。 相手は、私たちに危害を与える存在のようだ。
そいつは、まるで通せんぼをするかのように、森の出口の前に立ちはだかった。
その人物の正体を知った時、私は愕然とした。 けど、同時に納得する。
私は今更、あの時ゆう君の発言を思い出していた。 『はあ? 平等? ⋯⋯おい、頭にカビでも生えてるのか?』
なぜなら、目の前に立ちはだかった人物が、バルデン王国の国王だったからね。
「ふん。 ここで逃げられたら目立つ。 それに、雑種どもを殺した犯人が、俺だとバレてしまうからなぁ? ⋯⋯お前たちはここでオーガ共に殺された。 その筋書きで、俺のストーリーは決まったんだよ! 死ね、雑種ども!」
「⋯⋯アンタの都合に、私たちは負けない! 私たちはここから生還して、今日を生き抜くの!」
私たちの生命を賭けた戦いが始まるーー




