第26話 VSロマーニャ戦 ーーキャス視点
ケンタウロス、話術士、そして曲芸師との闘いを終えた私。 その後も苦戦を強いられた。
四回戦では召喚士が相手。 彼が繰り出す召喚獣とのバトルは、私の願望を叶えてくれた。
狼、コウモリ、タイガー、そして熊。 次々に登場する生物たちに興奮する、私と観客席の人々。
頑丈な体のゴーレムを大剣で一刀両断。 大トリで出てきたドラゴンを、退治するというファンタジー満載な展開だった。
五回戦の相手は忍者と呼ばれる魔術使い。 忍法と叫びながら放たれる、高火力の魔法。
火遁、水遁、雷遁、そして風遁。 どれも、中距離から襲いかかってくる。
それをかわして、やっと一太刀当てた、と思ったら丸太だった。 身代わりの術とか言ってたわね。
驚いていると、クナイと呼ばれる飛び道具が飛んできた。 大剣で弾いた所で、相手が降参したのだった。
そして六回戦。 相手はロマーニャさんだった。
「キャス。 貴方の闘い、観てたわよ! やるじゃない?」
「自分の力不足を感じているわ⋯⋯」
この大会をここまで勝ち上がって思う、自分の弱さ。 もっと修行しないとね。 お母様も『修行に終わりはない。 毎日が修行よ』って言ってたから。
さて、そんな彼女は拳闘士らしいわね。 だから、間合いでは私に分があるーー そう思っていたけど、間違いだった。
開始早々、彼女は手を動かす。 周りの空間が揺らぐ、その揺らぎが一瞬で私に到達した。
気づいた時には、吹き飛ばされていたわ。 これが、真空波という技ね。
空中を舞った後に、地面に叩きつけられる私。 翼を使えば、避けることはできるが、今回はしたくなかった。
そして、繰り出される追撃。 私はそれをなんとか、かわしたのだった。
「どうよ! かわしたわよ⋯⋯」
「いいね、キャス。 楽しいわね」
私は立ち上がり、彼女に向けて突撃した。 私も、遠距離攻撃を覚えたいわね。
エナジードレイン? あれは反則技だわ。 少なくとも、こんな場所で使う訳がない。 ーーそれに、条件もあるのよ?
一方、ロマーニャさんは仁王立ちで私を出迎えていた。 私は拳を一発。
大剣はどうしたって? 相手は素手なんだから、私も素手で闘うのは常識よ!
どこぞのゆう君と違って、私はフェアなんだからね?
そんな私の一撃は、簡単に受け止められてしまった。
「いい拳ね、毎日鍛錬を積んでいるのがわかるわ⋯⋯」
ロマーニャさんはそう言いながら、私の体を持ち上げた。 宙に浮いてどうすることもできない私。
私はもう片方の手を、上げて声を出した。
「降参するわ⋯⋯」
こうして、私は負けたのだった。
試合終了後、ロマーニャさんと握手する私。
「キャス! いい勝負だったわね」
「はい! ありがとうございます!」
お互いの健闘を称えていた時ーー
「敵襲! オーガの集団がこちらへ向かってます! 観客のみなさんは避難してください⋯⋯」
オーガの集団! 私の脳裏に、あのボスオーガが思い浮かぶ。
ーーアイツの目的はなんなのかしら?




