第21話 かくして役者は揃ったーーラム視点
ロマーニャさんが合流して、いよいよパルデン王国に入国することに。
ミートさんはロマーニャさんに捕縛されながらトボトボ歩いているんだけど、一体なぜこんな扱いを受けているのかな?
そう思っていると、ミリィお姉ちゃんが二人を見て不思議がっていた。
「私、気になるです! 二人はなにがあったんです? どうして、ミートさんは逃げていたんです?」
お姉ちゃんの率直な質問に答えたのはミートさんだった。
「聞いてくれるか! 酷いんじゃよ。 此奴は私に暴力や拷問をするのが生きがいなんじゃ! ホレ! 今もこうして⋯⋯あ、嘘です⋯⋯冗談です⋯⋯」
「そうよね? 冗談よね? ⋯⋯別にあの件についてはもう怒ってないの。 赤ん坊の頃しか会えないけど、男の子は旅立つ者だから⋯⋯」
「そうなのか! だったら離せ! 怪力女! ⋯⋯グェ」
「⋯⋯でもね? 私に対する皮肉や侮辱行為は別よ! よくも、私を死んだ扱いにしてくれたわね!」
「あれはジョークじゃ! お主の頭は石頭かえ!」
ロマーニャさんがミートさんを締め上げている。 私はなんとなくだけど、今までの会話で二人の関係を想像するのだった。
でも、お姉ちゃんは理解出来ていないらしく、疑問を浮かべている。
「わかったです! 腐れ縁って奴です! キャスとゆう君の関係と同じです!」
「キャス? あのサキュバスのことね。 ⋯⋯待って! ゆう君ですって?!」
ゆう君という言葉に反応したロマーニャさんは、ミートさんを放り投げて、お姉ちゃんにすごい気迫で迫っていきました。 どうしたのかな?
「ミリィちゃん! うちの太陽と知り合いだったのね! あの子はどこ?! どこにいったの?!」
「わわわ! 落ち着くです! ⋯⋯ゆう君は消息不明です⋯⋯」
「そんな! ⋯⋯ああ、愛しの太陽⋯⋯」
ロマーニャさんが地面に拳を叩きつけているんだけど、振動が伝わってくるよ!
そんな、ロマーニャさんにお姉ちゃんが余計なことを言い出しちゃった。
「ゆう君はキャスさん一筋の変態野郎です。 しかも、私たち亜人をゴミ扱いするです! そしてついには、責任者の殺害まで⋯⋯」
「ミリィお姉ちゃん! そんなことは言わなくていいよ!」
「⋯⋯⋯ミート」
「うむ? どうしたのじゃロマーニャ?」
落ち込んで震えているロマーニャさんに、すっかり調子を取り戻したミートさんが呑気に答えているけど、絶対に危ないよねーー
ミートさんはなんでそんなに呑気なの?
「お前! 私の太陽になんて教育をしたんだ!」
「え⋯⋯な、なんのことじゃ? ああ、今の話のことかの? ⋯⋯誤解です! 私は彼にそんな教育はしてません! あの子は私だけのかわいい教え子です!」
「その教えが間違っているんだ!」
また振り出しに戻った二人の状況に私はため息をつく。 お姉ちゃんは状況が分からずにオロオロしていた。
そんなこんなで私たち一行は、ようやくパルデン王国の中に入った。
王国の中は大きな建物と、大勢の人々で賑わっていた。 しかも、亜人がいっぱいいるよ!
普通に歩いていてもおかしく思われない状況に、お姉ちゃんと一緒に笑顔になっちゃう!
ーーそれにしても、賑やかすぎないかな? お祭り騒ぎな気がするけど。
「ラム、見るです! 武闘大会の案内です! この人だかりの原因です!」
お姉ちゃんの発言を聞いて納得する私。 いつも読んでいる本の内容に、そんなものがあったのを思い出す。
「⋯⋯うむ。 武闘大会は我が国が誇る祭典だからのう⋯⋯国王も出席されるほどじゃ!」
「そうね。 私も出場する気満々よ! 腕が鳴るわ!」
「すごいです! 応援するです!」
「ダメじゃ。 ロマーニャなんてすぐに負け⋯⋯るわけないじゃないですか!」
和気あいあい? と仲良くしている三人は気づかなかった。
ーー私だけが警戒していたから気づいたこと。
「⋯⋯⋯⋯」
お姉ちゃんに担がれて、置物状態だったはずのミアの口が半月になる瞬間をーー




