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死に戻りクズ勇者は勝手に生きたい〜こんな奴に勇者は任せておけない!  作者: Masa(文章力あげたい)
聖女・学園編

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第19話 僕をペットにしてニャ ーーキャス視点

 武闘大会ーー その明らかに強者を選ぶ内容の大会に心を弾ませる私。 


 パルデン王国で開催されることもあって、目的地にはピッタリね。 ここはギバドルの草原から、だいぶ離れた丘の上だしーー


 しかし、ミス・ファナイの提示した条件に、疑問があるのは確かね。 私は彼女にいくつかの質問をすることにした。


 「質問いいかしら? 条件の話なんだけど、出場するだけでいいの? ほら、優勝しろ! とかあるじゃない?」

 「オホホ。 出場するだけでいいんじゃよ? ⋯⋯もっとも、それでお主が満足するならのう?」

 「へえ⋯⋯」


 彼女は私に問いかけるように、じっと見つめてきた。 その瞳にはまるで、私の心の中が覗かれている感覚を覚える。


 彼女の私を見透かす視線に、私の本能が刺激された。


 自分の腕を試したい。 お母様から教わった剣術がどれだけ通用するのか知りたい。 


 私の心の中にある闘争心が込み上げてくる。


 体が熱くなってきたわね! 私の戦士の本能が心の中で暴れているわ。 思わず服を捲り、肌を見せる私。


 横で一緒に話を聞いているプリンの顔が赤くなる。 僕っ娘を誑かすなんて、悪いサキュバスね。 


 まったく。 ゆう君も同じぐらい、赤面してくれたらいいのに。


 そんな状況でも私は、次の質問をする。 内容は当然、ミアについてだ。


 「ミアについてなんだけど⋯⋯」

 「ネコミミ聖女についてじゃな」

 「⋯⋯⋯⋯⋯」

 「オホホ。 傑作じゃの〜 儂はそう言う顔が大好きなんじゃ〜」


 私はまだ、ミアのことについて、話していないはず。 なのに、彼女は全てを知っている。 


 まるで彼女の前では、私は裸同然ね。 じゃあ服を着ている意味がないのでは?


 今度はサキュバスの本能に思考を染め、衣服を脱ぐ準備を始める。


 しかし、そんな私をミス・ファナイが止める。


 「ゴホン、ゴホン! そっちは求めておらんぞ。 ⋯⋯まったくサキュバスはこれじゃから⋯⋯」

 「⋯⋯⋯」

 「キャスさん。 服を着ようよ、寒いニャ?」


 わざとらしく咳込み呆れる彼女。 優しく着用を促すプリン。


 私はプリンに言われた通り、着崩れした衣類を直して話を聞く準備をする。 


 ミアに露出変態と言われたり。 ミリィやラムにネタ扱いされる始末。


 ゆう君に至っては、この姿が大好きらしい。


 まったく、サキュバスに冷たい世の中だわ。


 風が吹く丘は、なぜか私には寒く感じた。 もう、夕暮れかしらね?


 聞く準備が整った私を見て、会話が再開された。


 「虚構人格か⋯⋯実に面白い現象じゃわい」

 「やっぱり、解決方法はミアの心理世界に入ることかしら?」

 「そうじゃの⋯⋯彼女が本当にそうであれば、の話じゃがな⋯⋯」


 ミス・ファナイが考え込んでいるが、やることは確定した。 


 「ねえ。 今すぐに出来ない? ⋯⋯あの子、ご飯も碌に食べてなかったのよ」

 「⋯⋯いいぞい。 ⋯⋯じゃが、その子はどうするのじゃ?」


 彼女はプリンの方を見ながら、私に話を振った。 たしかに、困ったわね。


 一方、当のプリンは不思議そうに、私たちを見ている。 まさかとは思うけど、同行するつもりかしら?


 「ニャ? 僕のことを心配してくれているの? 大丈夫だよ、パルデン王国には僕も向かっている道中だったんだニャ」

 「いや、それなら危ないわよ! あのオーガ集団がアンタの命を狙っているのよ?」


 襲撃にあったらどうするつもりかしら? 私の心配を他所に、プリンはおねだりするように、かわいいオテテを私の手にのせた。


 「キャスお姉ちゃん! 僕を君のペットにしてくださいニャ。 ⋯⋯本当は今頃、ひき肉になっていたニャン。 つまり、僕はキャスのものニャ! ⋯⋯キャスが望むなら僕を自由に使ってくれてもいいニャ⋯⋯」


 プリンの発言に揺らぐ私の心。 ペット、使う、自由ーー


 私はプリンの頭を優しく撫でる。 すると、私がOKしたと理解して、抱きつくのであった。 よし、猫吸いしちゃお。


 イチャイチャする私たちを尻目に、ミス・ファナイは冷たい眼差しでこちらを見ていた。 


 ーーミス・ファナイの目は研究者の目だった。 まるで、私たちは彼女の研究の材料みたいね。


 私はプリンとイチャイチャする振りで、それを誤魔化していた。


 しかし、掠れるように呟いた声に、私は彼女に異質さを覚えるのであった。  


 「⋯⋯ふむ、プリン生存ルートはこうなるのか⋯⋯実に興味深い⋯⋯」

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