第17話 運命は交差する
朝、俺は教室へ向かう。 昨日今日だ、クラスでは俺は狂犬扱いされるだろう。
そして、怯えた目で俺と言う存在に恐怖する。 ふふふ、最高だなぁ。 この教室の支配者である俺は、堂々とドアを開けた。
しかしドアを開けると、さっそく水鉄砲が飛んできた。
俺は避けたが、後ろの壁は穴だらけだ。 俺は犯人を睨んだ。
アセッタは、昨日俺がトラウマを植え付けたはずだが? 彼女はそんなことなんてないような素振りを見せるのであった。
「あれれ? 今度こそ当たったと思ったんだけどな」
「⋯⋯おい、メスガキ! 今度こそ、再起不能にしてやるぞ?」
「キャー。 ナナシ君てば怖いわね、お姉ちゃん失禁しそう〜」
そう言って恥ずかしいそうに、スカートの袖を押さえながら悶えるアセッタ。
アセッタは俺よりも小さい体で、俺を子供扱いする。 なぜか、俺の本当の姿を見透かされている様で気分が悪い。
そう思っていると、俺の手が何者かに掴まれる。 ルミスだ。 コイツも俺が調理したはずなんだがなぁ?
ルミスの表情はまるで研究者の様に鋭い。
「⋯⋯うむ。 軽いナ」
「なにしてんだ、豚野朗」
「発生音も、無理をして高く出しているようダ」
「⋯⋯!」
コイツ! 俺の秘密を暴露しやがった。
成長薬を飲んだのに、なぜか声はそのままだったんだよ。 ムカついた俺は、ルミスから離れようと、ジタバタするが動かない。
「うふふ。 ルミス、しっかり持っていてね? 的当てするから~」
アセッタが、イタズラな笑みを浮かべながら構える。 マズイ、このままではーー
「心拍数、体温上昇。 緊張状態確認⋯⋯」
「ハア? 緊張なんてしてねぇし」
「更に上昇。 超極限状態に突入⋯⋯」
「びびってやんの! ダサ~」
「殺す⋯⋯」
アセッタの煽りにまんまと乗せられた俺。 しかし、アセッタは既に構えを解いて、ただ笑っているだけだった。
「⋯⋯まあ、今回は譲ってあげるわ。 せいぜい頑張りなさいよねハリボテ君」
「武闘大会、頑張るんだナ」
「ハア? どういうことだよ? ⋯⋯殺せよ、悔しいんだろ? お前ら⋯⋯」
俺がそう言うと、キョトンとするアセッタとルミス。
俺の挑発まがいの問いかけに、優しい口調でルミスが答えた。
「ナナシ。 お前は強いナ」
「はん。 ⋯⋯この状況で言われてもな」
「数々の修羅場を乗り越えて来たのだろう。 心が強イ」
「⋯⋯⋯そんな訳ない。 適当なこというなよ!」
「ウ!」
俺はジタバタもがいて、ルミスの金玉に蹴りを入れた。
呻いたルミスは、俺を離す。 そして俺は投げ出された。 床に這いつくばる俺を見るクラスメイトたち。 みんなが心配そうに俺を見ていた。
ーーふざけるな。 馬鹿にしやがって! 絶対にコイツらを恐怖で支配してやる!
俺は立ち上がり、逃げるように教室を出て行くのだった。
「オホホ。 ⋯⋯儂を探しておったのはお嬢さんかぇ? キャスよ」
「ええ。 この前振りよね、ミス・ファナイさん」
「要件は⋯⋯おっと! 言わなくてもわかっておるぞ~ ⋯⋯じゃが条件があるのじゃ。 パルデン王国で開催される武闘大会に出場して欲しいんじゃ⋯⋯」
「武闘大会? なにそれ! ワクワクするわね!」
「ホホホ。 そうじゃろ、そう言うと思ったわい⋯⋯」




