第3話 天使様との出会い ーーミア視点
「⋯⋯うん。 ここは⋯⋯」
「よかったわ。 意識が戻ったわね!」
どこかほっとする。 優しい声ーー ミアはくすぐったい感覚を覚えるの。
目を開けると真っ白い服。 天使様なの!
「天使様! ミアをお迎えに来てくれたの?」
「ふふ。 よく見て! 私をもっと⋯⋯」
「艶めかしい声なの。 それに綺麗な顔! 体型はとっても、整っていてバランスが美しいの」
「ええ? ⋯⋯そんなに褒めてくれるの? 嬉しいじゃない⋯⋯」
「それから、白い服の中に黒い下着が見えるの。 しかもほとんど紐なの」
「下着だから、当然よ。 ただ、恥部を隠せればいいの! ⋯⋯って違うわ! 他にも、もっと目立つ特徴があるでしょ?」
そう言われて、初めて気付いたの!
「黒い羽とツノと尻尾が⋯⋯」
「ふふ、やっと気づいた?」
「とても凛々しくてキュートなの!」
「まあ! 貴方、お立て上手なのね! ⋯⋯どっかの有罪変態野朗とは大違い」
「⋯⋯?」
そう呟く天使様の顔はどこか悲しげだったの。 しばらくして、洞窟の中に入ったのよ。
「ただいま! 大変よ、ネコミミの子が傷ついているの!」
「おかえりなさいです! 早くこちらへその子を⋯⋯」
「えっ! 服もボロボロだよ。 どうしたんだろ?」
すると、また別の天使様たちが来たの。 あれ、もしかして、傷を治そうとしてくれているの?
「もしかして、治療してくれてるの?」
「当然よ! ちょっと痛いけど我慢してよね?」
「大丈夫なの、心配いらないの⋯⋯」
「大丈夫って! アンタ、ボロボロじゃない!」
「⋯⋯あ。 違うのそう言う意味じゃないの⋯⋯」
ーー自分で出来るって意味なの。
私は、傷口に手を当てて力を込める。
「駄目よ! 触って傷口が開いてしまうわ!」
「⋯⋯いえ。 待ってくださいお姉さん! これは治癒魔法です!」
「すごいです! 傷口がみるみる消えていくです⋯⋯」
綺麗になった箇所を天使様に見せる。 三人とも、口をあんぐりさせているの。
「ミアがこうすれば、傷口は治るの」
「ええ? 嘘でしょ⋯⋯」
「すごいです!」
「わあ、魔法みたい⋯⋯」
「と、言うか魔法よね! これ⋯⋯」
いつも、バレないように傷を治していた。 だってバレたら、家族や村の人にもっとサンドバッグにされるから
ーー? なんだろうこの気持ち。 違和感があるの。
「⋯⋯ええっと。 そうよ! ミアちゃんはどうして倒れていたの?」
「兄弟に遊ばれてた時に、パパから外に蹴り飛ばされたの」
『⋯⋯⋯⋯?』
ミアは詳しく、話すとことになった。 なぜかネコミミで生まれたこと、村の人たちとの会話などーー でも、天使様たちは次第に形相が悪魔になって来たの。 そして、ミアが話しを終えると沈黙したの。
「⋯⋯つまり、貴方は、暴力を受けていたのね」
「⋯⋯⋯⋯え?」
天使様ーーキャス様は天使の格好をやめてしまったの。 そして、紐下着姿のまま洞窟を出ようとしたのーー
「ええっと、キャスさん? 待ってくださいです!」
「ううん~ ちょっと、人間の生気を吸って来るね~」
「駄目です! 人間は危険です! ラムも止めるです!」
「ニンゲン、ニクイ!」
「キャ! ⋯⋯ラム! 気をしっかり保つです!」
天使様たちが揉めている間、ミアは驚くことしか出来なかったの。 しばらくして、少し落ち着いたみんなが、ミアに優しい声で話しかけてくれたの。
「ねえ? ミアちゃんはどうしたい? ⋯⋯私は貴方のためだったら、なんでもするわよ?」
「そうです! このまま見過ごすなんてあり得ません!」
「⋯⋯ニンゲンドモツブス」
ミアを真っ直ぐに、見つめて来る天使様たちーー なんでだろう、体がおかしいの? ミアの真ん中がズキズキするのーー
「ミアの中でナニカ感じるの。 変なの⋯⋯」
「⋯⋯! ミアちゃん笑って見て?」
「⋯⋯笑う? みんながいつもやっている動作なの。 でもミアはネコミミだから出来ないの⋯⋯」
「⋯⋯そんな! 嘘でしょ? まさか⋯⋯」
「そんな! 感情がないのです?」
「フシュ! ツブス、ニンゲン!」
天使様たちが驚愕してる。 どうしたのかな?
「ミアちゃん。 それはきっと怒りよ」
「⋯⋯怒り?」
「そうです! でも大丈夫です、私たちがいるです」
そうだったんだ、ミア怒っているんだ。 ーーそう思った途端、意識が遠くなる。
「ふふ、眠くなったのね。 おいで~優しくしてあげる」
「は~いなの」
キャス様の膝にもたれ掛かる。 今はただ、このむくもりに甘えていいよね? おやすみなさい、天使様ーー
「⋯⋯ところでさっきから、盗み聞きしている人間がいるわね? あの村の奴かしら? 姿を見せなさい!」
「なんじゃ? 儂がなにかしたのかえ? 儂はただ休憩したいだけなんじゃが。 ⋯⋯おお! お主はあの時のサキュバスじゃないか! だったら、勇し⋯⋯おっと。 ゆうも近くにいるんじゃな?」




