第24話 魔女の食堂 ーーキャス視点
街を出て数日が経った。 地図によると、草原地帯なんだって。 足元を見ると、短い草しか生えていないーー
私はニコニコしながら、ズボンを脱ぎ捨てた。 そして、スカートを履く。 風が気持ちよく吹いて、スカートがはためいていた。 気持ちいい~
「ハア。 なんでわざわざスカートに着替えたの? キャス」
「なによ。 ⋯⋯ふふ、見惚れるからやめてほしいってこと? ⋯⋯ああ、風が吹いて黒い下着が見えちゃう~ 恥ずかしいわ~」
「じゃあズボンを履けばいいじゃん」
「なによ! 失礼しちゃうわね」
まったく! 私はサキュバスなのよ! まったくデリカシーがないわね。 顔を赤くするとかしなさいよ。
「⋯⋯あれ? なんです? 小屋が見えるです!」
「本当だね。 ⋯⋯でも、どうしてこんな所に?」
ラムとミリィの言う方を見つめると ーーまるで突然出現したかのように、異質な小屋がポツリと立っていた。 その前には黒いローブの老婆がいた。
「おい! 迂回するんだ!」
ゆう君がそう言っているが、私たちは無視をする。
「こんにちはです。 こんな所でなにをしているんです?」
「⋯⋯おや。 白獣人かい。 それにサキュバスねぇ。 それに、この少年は⋯⋯」
老婆は、私たちを見て考えこんでいる。 そしてしばらくしたのち、話し出した。
「いらっしゃい。 儂の名前はミス・ファナイ。 丁度いい所に来たのう」
「丁度いい所ですか?」
「この中で、大食い大会をしていてな。 参加者を探していたのじゃ」
彼女はそう言うと、私たちを扉の中へ誘導する。
「おいババア。 行くとは言ってねぇぞ! ⋯⋯ってお前ら勝手に行くなよ⋯⋯」
慌てるゆう君。 だったら、君はそこで待っててよ。
「いいじゃん。 大食い最高!」
「ですです。 たくさん食べます」
「お腹空いてきちゃった」
「オホホ。 元気な娘たちじゃの」
「⋯⋯俺は反対だ!」
「小僧。 コッチに耳貸すのじゃ」
「ハア? なんでお前なんかに⋯⋯」
「そうか? じゃあ言うぞゆうし⋯⋯」
「コッチだな! 行ってやる!」
結局ついて来るんだもん。 ひねくれものだねゆう君はーー
「⋯⋯なんだよここ? 草原の真ん中にいたはずだよな?」
大食い会場は凄かった! 人間だけじゃなくて、エルフや魔王? までいたから。
でも、ミス・ファナイがいないわね。 代わりに、パーカーとズボン姿のメガネのお姉さんが、私たちをもてなしてくれたけどーー
ミズキと言う少女が言うには、大食い大会には一名しか参加できないらしい。
話し合いの結果。 ミリィが出ることになった。 私はのんびりご飯を食べながら、見守るんだもん。
すると、ミズキに呼ばれたエルフが声を上げる。
「じゃあ、フレイアさんから紹介お願いします!」
「ふふ。 この大会に優勝すれば、大金持ち確定だわ! ⋯⋯まったく。 せっかく私の出番が来たと思ったら、プロローグだけですって! 本編での登場はいつなのよ! 悔しいったらありゃしないわよ! クク。 さて、このフレイア様が本気を出せば、右に出る者はいないわよ。 ⋯⋯ルーブ! 今に見てなさい! 毎日毎日、私の前で美味しそうにご飯を食べて⋯⋯でも、今日までよ。 明日からは私も貴方と同じ物を食べるの!」
フレイアと呼ばれたエルフさんは、ニッコリと微笑んでいる。 しかし、彼女はこちらを見るとギョッとした。
「えっえ? ミリィちゃん若くない? ⋯⋯まさか、時間軸がずれているの? 後でリディに解説してもらおうっと」
「⋯⋯フレイアさんどうしたです?」
「はは、なんでもないわよ。 ああ⋯⋯最悪だわ。 初対面なんだから、クールに決めて来ればよかったわ」




