第98話 物理的治療法?
「は…あ。 オ…イラ、や…ぱ…り……」
「もう喋ったら駄目よ、オニギス!」
姉さんが、オニギスを抱きしめているーーなんとかオニギスのこと、助けられないのかな?
「なんとかならないの? ターコイズ!」
「ターコ!」
「……ふむ。 心臓を押さえいるようですが。 まさか……」
姉さんとアメジストが、ターコイズに問いかけている。 すると、ターコイズは思案顔でオニギスの手元を見ているけどーー
「……な」
「なんでそうなるのって、言いたいの?」
「……う」
オニギスが、言いそうな言葉を私は引き継いだ。
「おヴォ、アメジスト! まだ、くたばんなぶ! お前には聞かなぐいけないでぃ」
「アメジスト、静かにしてはいかがですか? 貴方の気持ちは、その顔だけで充分です……」
「ぶうぅ」
私は考えた。 オニギスはここに、私たちを連れて来たかった理由ーー
ここに、オニギスの命に関わるなにかがあった?
「ふむ……これは血ですか? 血管までありますね……」
「ぐゔ」
「そうですね、これの正体は……人間」
オニギスは頷いた。 正解だったみたい。 そっか、ヌイセマカの奴は、これの材料になったんだねーー
◇◇◇
「そんな……」
「ルビー。 気持ちは分かりますが、現実を見てください。 オニギスはダンジョンのコアと繋がっています。 コアが死ねば……」
「……コア? そんなのどこにあるのよ!」
「ゔぅ!」
「人語を話してください、アメジスト」
「これゔゔ。 心臓ぅ」
アメジストが手に持っていたのは、剥き出しの心臓だった。 生々しいそれは明らかに、弱々しくなっていた。 ーーつまり。
「これが、オニギスの心臓ですね」
「どうするのよ。 明らかに、弱まっているじゃない!」
「心臓マッサージぃ。 ちょっとぶ、ましに……」
「ぐぅぁあ!」
「ありゃ? 強すぎゔ? なら、これぃ」
「ぎゃぅ〜」
ーー明らかに逆効果だよ! どうしたらいいの?
その時、ターコイズがオニギスを睨んでこう言った。
「オニギス、死にたいのですか? 貴方は、自らが生きる方法を理解しているはずです。 ……例えば、心臓を喰らうとか」
「……いや」
「……貴方がそのつもりなら、考えがあります。 アメジスト、やりなさい!」
「おうよ!」
「ぐぅぅ、がぇ」
言うが早いか、オニギスの口に心臓が押しこまれた。 ーーこれで安心だよね?
『やっと戻って来たか……我が半身よ』




