第89話 いよいよ終盤? ーーオパール視点
フレイアが消えた後、妖精たちは消えた。
『……我の此度の出番はここまでの様じゃ』
ノームはそう言った。
『フレイアは、我の盟友じゃった。 来世の奴にも会いたいものじゃ……』
「……来世って。 じゃあ、フレイアはもう……」
精霊王は、曖昧な表情を浮かべながら消えていったーー
残されたのは、私たちだけだった。 門は消えたけど、溶岩の海のままだった。
ーーしかし。
『……まったく。 ……材料は、上層階の愚者どもでいいか……時期は数日後……』
ダンジョンが脈動する。 まるで、生きているみたいだったーー
「行こうか」
「そうだね、行こう!」
エメラルドとオニギスは、なんでもないようにそう言った。 待って、私たちは何か忘れてない?
オニギスを見た。 私の視線に気がついたのか、目を逸らした。
「おゔ、ターコ行くぉ」
「はい、アメジスト」
アメジストは、ターコイズを姫担ぎしてた。 めでたしだね!
「おい、ファナイ! 俺を最下層まで連れて行きやがれ! 聞こえてるんだろが、俺がいないと、最下層の門が開かないんだろう?」
ナナシは、空間に向けて吠えていた。 ーーけれど、返ってこない。
しばらく吠えて諦めたのか、突然ダッシュで奥に駆けて行った。
「……ハア。 落ち着きのない奴だよね?」
「行くよ二人とも、ナナシを追いかけないと」
ーー二人とも、ワザとナナシを逃したの? また、ナナシが好き放題やるよ?
姉さんと見つめ合う。 早く、ナナシを追いかけよう。
◇◇◇
階段を降りきった先には、既に次へ降りる場所が見えていた。 ドンドン狭くなって来ている。
ーー遠くでナナシが下へ降って行くのが見えた。
「いよいよ、最下層が近いのかしら?」
「さあ? あまり、楽観視しない方がいいよ?」
オニギスが、ぼそりと言った。 ーー味方なんだよね?
その時だった。 目の前に魔物が現れた。 ジャイアント。 デススパイダー。
ーーそして。 全身を鎧のような毛で覆われた、巨大モグラ。
強敵クラスの魔物が現れた。 ーーまるで、ナナシと私たちを引き離すように。
「ほら! やっぱり、そうなるんじゃない! エメ……あれ、いない」
姉さんが、エメラルドを睨もうとしたが、そこにはいなかった。 前方を向くと、エメラルドが下へ降りていくのを目撃した。
「置いてかれましたね、やはり緑は危険……」
ターコイズが何か言っている。 ーーいや、危険なのは貴方じゃないの?




