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死に戻りクズ勇者は勝手に生きたい〜こんな奴に勇者は任せておけない!  作者: Masa(文章力あげたい)
黄金の鉱山編

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第87話 酸性雨に興奮するサキュバスーーキャス視点

第二十一階層。 私の前に現れたのは、紫の土製ダンジョンだった。 なんか、掘られてできた跡じゃなくて、溶かされたみたい。


 天井から、ぽたぽたと黒い雫が落ちてくる。 それがアゼッタのフードに落ちた。


すると、その部分がジューと、音を出して溶けた。


「……あら」

「うわ……最悪」


ーーこの液体って、酸性雨? あの、服が溶けるって噂の!


 私は、今の服を眺めた。 ベージュのシャツに、ベルト付きのジーンズ。 さらに、その上から羽織ってある丈夫なマント姿。 


 全部、お母様からもらった服。 なんだけどーー このままじゃ、雨で溶けてしまうわ! 


 私は服が溶けて、素肌が丸出しになる様子を想像して、もだーー悲しくなった。


 このまま道を歩いたら、服は溶けてしまうだろう。 それは嫌だ。 私は酸性雨地帯の前で服を脱ぐ理由ーーゴホン。 これは仕方がないのよ、防衛手段よ!


「よし、脱ぐわよ!」

「駄目です!」

「駄目だよ!」


 ーーはやいわね。 さすが、ずっと私を拘束していただけあるわね!


 両脇から、ミリィとラムに腕を掴まれた。


「……聞いてちょうだい。 これは正当な理由があるのよ」

「どうせ、服が溶けるからでしょう?」

「そうよ! お母様からもらった服が溶けるのよ……だからね?」


 バニラが、耳をぴこぴこ動かした。


「服が溶けるなら、脱いだら肌が溶けますよ?」

「大丈夫よ、サキュバスボディーに、酸性雨はご褒美よ!」


ーーはい、論破! これで、脱衣待ったなしだわ!


 しかし、その時。 ミートが私たちに、なにかを渡して来た。


「全員、これを被るのじゃ」


 ミートが、渡してきた謎のアイテムを見る。 ーーなにこれ?


「ルミス王が作った『対酸性雨対策マシーン』じゃ!」

「対酸性雨対策マシーン?」

「なんでも、これを持っていると、酸性雨から全身を守れるらしいのじゃ」

「わぁ! すごいです!」

「……ルミス様、さすがです」


ーールミス王め、余計な物を作っているんじゃないわよ!


「……で、でも? そのマシーン? 壊れていて、万が一効果なかったら終……」

「わぁ、すごいです! 膜みたいな物ができるです!」

「えっと? キャス、なんだっけ?」

「く、キキィ」


 ラムが私を見ながら、惚けた声で私に言った。 ーー負けたわね。


 歩きながら、私は考えていた。 このマシーン、壊れないかしら?


「……便利なマシーンね? 壊れないかしら?」

「……?」

「別に、なんでもないわよ……」


 私の心の声を代弁した、リディって女がローブを翻して歩いていた。


 ーーもしかしてだけど。 私はリディに近づいて、ローブを捲る。


「……なにするのよ」

「あらあら。 結構な服装ね、ぷぷ。 ……貴方も、期待してたんじゃない」

「貴方と一緒にしないでくれる?」


ーービク。 リディの肩が揺れた。 動揺しちゃって! 

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