第85話 クイズ番組には、罰ゲームがつきもの! ーーアメジスト視点
『筋肉。 お主、存外に見所があるのう』
『あぅ? べ、べつぃ? 空気を読んだ訳じぅねえぞぇ』
ノームが、王座から身を乗り出した。 俺のボケが気に入ったらしい。
『存外に見所がある。 ……どうじゃ? 今度、我のチャンネルでクイズ番組をやるのじゃが、演者として参加して見ないか?』
「あぅ? チャンネルってなんだぇ」
『我の独裁放送よの!』
「ふぇ! 凄ぅいんだぃ?」
ーーチャンネルを独裁しているのか? 独裁ってなんだ?
「あ、あ〜 ゲホ、ゴホン!」
俺が考えていると、咳が聞こえてきた。 俺がそっちに振り向くと、エメラルドが目配せしてきおる。
チラチラ、横を見ながら、俺に向き直って? なにやってるんだ、隊長?
ーーそうか、わかったぞ! 駄目だって、言ってるんだな!
「待て待てぁ。 俺ぇ、調査隊の副団長だぜゔぇ。 隊長が拒否しているから、駄目だぜざ!」
『上司の言いなりか……それでいいのか?』
「あ?」
『我は、アメジスト本人の気持ちを聞いておるのじゃが?』
「参加してぅ!」
ーーミシ。 あぁ? 今、なんか変な音がしたなぁ。
「ム! ム〜 ムム! キィ!」
「ターコイズ? ……ねぇ、アメジスト、ターコイズの様子が!」
「なんだぇ?」
俺がターコを見ると、腕にしがみついてやがった。 エメラルドがやけに静かな声で答えた。
「アメジスト。 僕は今から離れるから」
「あぅ?」
「君の隣は危険だ」
エメラルドが、すっと席を立った。 そして、後退していくーー
妖精どもも、いつの間にか天井付近まで避難しておる。
『……ほほう?』
ノームが、楽しそうに頬杖をついた。
『……これは、実に滑稽だな』
「なにがだぅ」
『血の整列王の前で、地面技を使うとは……」
ーーうん? なんの関係があるんだ? 血と地面は関係ないよなぁ?
「……アメジスト。 貴方は、私との約束を忘れたのですか?」
隣から声がした。 ターコだった。
解答席に座ったまま、こっちを向いておる。 ターコの腕が俺の腕に、絡みついておった。 木が、めり込んでやがる。
「おい、ターコ。 どうしたぃ?」
「……私の問いかけの答えを言いなさい……」
なんだ? ターコもクイズが好きなのか? よし、ここは決めてやるぜ!
「アメジスト? 変なことを考えてないかい? ……僕は嫌な予感がするんだ」
「予感ぇ? 隊長、それはなんだゔ?」
「先のことを知ることだよ、……今、気になることじゃないだろ馬鹿!」
エメラルドが俺に向かって、馬鹿だと言ってきたが。 ここには、俺をチャンネルだかに呼んでくれる血の整列王がいるんだ!
「早く答えて。 私があの時、貴方と誓ったことはなに?」
「一緒に、干し肉と新絵とメザシを買うだったな!」
「……ファナイアンサー?」
「ほう!」
おう! やっぱり、そうだったんだなぁ。 ターコ、ノリがいいぜ!
ーーゴゴゴゴゴゴ。
ほら、演奏付きだぜ! 振動してやがる。 そして、ターコが口を開いた。
「……ない。 ……許さない」
「あぁ?」
「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない……」
ーーズズン。 床が、揺れた。 天井から、砂が落ちてくる。 紫水晶が、きしきしと鳴る。
妖精どもが、悲鳴を上げて逃げ始めた。
「ちょ、ちょっと! 会場が壊れます〜!」
「みなさん〜 落ち着いて、避難してください!」
ターコが、ゆっくりと立ち上がった。
「不正解です……アメジストには罰として、地獄を味わってもらいます」




