第84話 お金好きに種族なんて関係ないよね! ーーオパール視点
「あっはは! 面白いわ、最高じゃない!」
「テメェ、なに笑ってやがるんだ! ざっけんじゃねぞ!」
ーーナナシが、チョップの体勢のまま吠えている。
一方、私たちは椅子に座って、フレイアと一緒に目の前の景色を眺めていた。
そこに映し出されたのは、よくわからないセット。 フレイアが言うには『クイズ番組』と呼ばれる形式に、参加しているエメラルドたちだった。
三人並んだ解答席。 垂れ幕には番号と紋章。 緑、青、紫。
そして、無数の妖精。 ーー王座の席には、さっきの精霊王もいた。
『軍事報告書だなぁ』
『おいおい。 それは、お前の眠る奴だろ!』
『わっははは』
「面白いわ、最高じゃない!」
「たしかに、あの大男にはこういうのが合っているね!」
フレイアが、膝を叩いて笑っている。 その横でオニギスも同調していた。
適応力高すぎるよこの人。 姉さんは、フレイアに壁を指しながら、問いかける。
「これ、なんなの?」
「あら、面白くないかしら? これはバラエティ番組よ」
「面白いかどうかの前に、貴方達はなにをしたいのよ?」
「お金稼ぎ」
フレイアは、あっさりと言った。 その発言に、私たちの耳がピクピクした。
「最初はね、黄金の鉱山にお宝が眠っていると聞いてやって来たんだけど……」
「私たちもよ!」
姉さんの発言に、私も一緒に首を振った。
バルデン王国から逃亡した後、私たちは道で生えている草やキノコなどで、飢えを凌いで生きていた。
そんな中、人伝の話で聞いたんだ。 ガランド山脈には、宝が眠っているとーー
私は姉さんを見た。 姉さんも私を見ている。
『残念……正解はドナドナ行進曲だ!』
『ドナドナ行進曲ん?』
画面では、アメジストが首を傾げていた。 姉さんがフレイアを向いた。
「本当にあるのね、財宝が……」
私も、隣のフレイアを見た。
「ええ。 間違いなくあるわ。 でも、ウチの元弟子がそれを管理しているのよ」
ーーゴクリ。 私の喉を鳴らす音が響いた。
『筋肉。 お主、存外に見所があるのう』
『あぅ? べ、べつぃ? 空気を読んだ訳じぅねえぞぇ』
画面の中で、精霊王が笑っていた。 クイズ会場は和気藹々としていた。
「だから、私の計画は元弟子のファナイに気に入られて、財宝を分けてもらうことよ! ……どう? ナイス名案でしょ!」
フレイアは、あっさり答えた。 その表情は明らかに、悪い顔だった。
私たちは、思わず椅子から飛び上がった。 そしてフレイアに握手を求める。
『ム! ム〜 ムム! キィ!』
『ターコイズ? ……ねぇ、アメジスト、ターコイズの様子が!』
画面の向こうでは、ターコイズがプルプル震えていた。 その手は、アメジストの袖にあったけど。 アメジストは、その様子に気が付かないーー
「私たちも、参加していいかしら? その金稼ぎに?」
「……ふふ。 安心して」
フレイアが不気味に微笑んだ後、続けてこう言った。
「もう既に、私たちは仲間よ! 一緒に、お金持ちになりましょうね!」
フレイアは、私たちの手を取った。 私たちに友情が芽生えました。
ーーしかし、その時。 ダンジョンが揺れた。 私たちが何事かと辺りを見回すと、オニギスが静かに、画面を指差した。
『許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない……』
ターコイズの呪詛が振動とともに、響き渡っていた。
ーーえ? 向こうでなにが起こっているの?




