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死に戻りクズ勇者は勝手に生きたい〜こんな奴に勇者は任せておけない!  作者: Masa(文章力あげたい)
黄金の鉱山編

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第73話 VS腐食キメラ戦

 キメラが、ギチギチと脚を鳴らしながら近づいてくる。 前方に二体。 後方に一体。 挟み撃ちにされてしまった!


 蜘蛛の下半身に、オーガの上半身。 歪なその見た目は、その全身が腐っていた。 


 こちらを見下ろしている。 獲物だと思っているみたいーー


「おりゃぅ!」

「ゔぅ……」


 アメジストが、キメラに特攻を仕掛けた。 でかい大金槌がオーガの一体を吹き飛ばした。 


 そしてアメジストは、そのままオーガと一緒に飛んで行った。


「……やれやれ、筋肉ダルマはこれだから……そちらの一体は頼みましたよ?」


 ターコイズはそう言うと、体が浮いた。 ーー空中移動だ。


 キメラとアメジストの後をのんびりと飛んで行ったのだった。 もう一体のオーガは、全く反応しなかった。 ただ、こちらをニタニタと睨んでいる。


「オパール! 魔法は?」

「……! 撃ってみる! アイス・ジャベリン!」


 氷の槍が五本。 不気味な表情のまま不動の、キメラの胸に突き刺さった。


「やったわね!」

「……ルビー。 それはフラグだって」


 オニギスが呟いた。 やがて、霧が晴れて現れたのはーー


「……嘘でしょ」

「ダメージなしか。 いや、元々腐っているから区別がつかないね……」


 キメラはそこに立っていた。 不敵な笑みのままでーー痛がる様子すらない。


 そして、何事もなかったように進んできた。


「じゃあ私の出番ね!」


 姉さんが、両手剣を抜いた。 そして走る。 紅の外套が姉さんの加速を補助しているようだった。


「はああっ!」


 ーー速い。 姉さんの踏み込みが、以前より深い。 初めて振るったはずなのに、そんなことを感じさせない馴染み様だった。


 姉さんがキメラの脚を二本まとめて斬り飛ばした。 黒い液体が、姉さんに飛び散った。 ーーしかし。


「……腐らないわね」


 姉さんが、にやりと笑った。


 でも、キメラもやられているばかりではなかった。 反撃と言わんばかりに、オーガの腕で持っている獲物が、姉さんに振り落とされた。


「ちぃっ!」


 姉さんが剣で受けた。 衝撃で、膝が落ちる。 かなりの怪力だ。


「ぐ……重い!」


 キメラの切られた足が、黒い肉で埋まっていく。 ーー再生している。


 第十五層の竜と同じ構造だった。


「オパール! 考えて!」

「……!」


 エメラルドが、後ろにいるもう一体のキメラを押さえながら叫んだ。


「君が止めれば、ルビーが斬れる! 止め方を考えるんだ!」


ーー止める。 私は、杖を握り直した。 私は、キメラの近くの床に向けて、炎を放った。


「オパール?」

 

ーー敵に直接当てても、効果がない。 でも、持続したらどうなる?



 蜘蛛の足に火がまとわりつく。 焼かれては治り、また焼かれてを繰り返す。


 やがて、蜘蛛の足は歪になって、傾いた。


「さすがオーパル!」


 押し返しに成功した姉さんが、返す太刀でキメラの胴体を切り裂いた。


 キメラは、その傷を黒い液体を垂らしながら治していく。 その表情には、笑みが見えた。 ーー私たちの行為を嘲笑っているみたいだった。 


「……へえ? 油断してていいのかな?」


 オニギスが後方から、キメラに迫っていた。 ーーそして、オーガと蜘蛛の中間地点に向けて、ナイフを突き刺した。


「治療している時に光っているから、弱点丸見えだよ?」


◇◇◇


「……ッチ。 旧造のキメラでは力不足か。 まあよい。 奴らの力量など……」

「コラ! 私の話を聴きなさいよ、ファナイ〜 今、ビジネスの話をしているでしょ? 師匠の話はちゃんと聞かないといけないわよ?」

「は、はい。 フレイア師匠……」

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