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死に戻りクズ勇者は勝手に生きたい〜こんな奴に勇者は任せておけない!  作者: Masa(文章力あげたい)
黄金の鉱山編

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第69話 キャスの料理店 ガランド山脈出張所

 ガランド山脈の第二十層の厨房エリアで、私は料理を作っていた。


ーーそう、厨房エリアで。 こんな場所に厨房があったのよ!


 調理器具や調味料なども完璧! ここを用意した人物のこだわりを感じるわ。


 学園長ミートがいうには、アメジストっていう男の人が作ったらしいけど。


ーーきっと、イケメンに違いないわ。 ごめんね、ゆう君。 浮気しようと思うわ。


「キャス? そんな上の空で、大丈夫です?」

「スープこげてないよね?」


 私は、正気に戻って、様子を確かめる。 鍋が、ぐつぐつと音を立てている。


ーー焦げてないわね。 セーフ。


「キャス、いい匂いです!」

「でしょう?」

「なにを考えていたの? ……また変なことじゃないよね?」


 ミリィが、鍋を覗き込んで鼻をひくつかせている。 ラムは、私のことを怪しい目で見てくるわね。


「ラム、ミリィ。 お椀持ってきて」

「「は〜い」」


 二人の助手が皿を取りに行った。 ーー今がチャンスよ! 


 私の手の中から、ハートが出てきた。 愛情の隠し味よ?


ーーそして、二人が皿を持ってきた。 私はそのスープを注ぐ。


「はい、どうぞ」

「わあ……いただきます」


 ラムが、ふうふうと吹いて一口。


ーーそして、動きが止まった。


「おいしいです」

「そうでしょ?」

「美味しいけど……なんか変だよね? 心がポカポカするというか……」


ーー勘が鋭いわね、ラム? だけど、手遅れよ。 私は、腰に手を当てて胸を張った。


「サキュバスの基本技能よ。 心を掴むためには、まず胃袋からだもん」


 気づけば、全員が鍋の周りに集まっていた。


 ミートが、椀を抱えている。


「ほう……これはなかなか。 ホクホクじゃの」

「お口に合うかしら、学園長?」

「美味しいです……のう」


 ミートは、ふうふうと吹きながら答えた。 語尾が崩れて来たわね?


「バニラ、あなたも食べなさい」

「……はい」


 バニラは、少し離れた岩に座っていた。 さっきから、ずっと考え込んでいるわ。 ーーそんな時は、キャス特製のスープが一番よ!


「これ、美味しいですニャ」

「知ってる」

「……ふふ。 自信家ですニャ」


 少しだけ、この子が笑った。 よかった。 第二十層に着いてから、ずっと耳が伏せたままだったから。


「……」

「はいはい」

「……」


 ルーブが、無言で椀を差し出してきた。 私の料理を食べて、いつまで無言を貫けるかしらね、ぷぴっ。


ーーすると、深々とローブをかぶった、リディと名乗る人物がお椀を持って来た。


「……」

「リディさん? 貴方もどうぞ」

「なんか、スープが臭いわね。 ……貴方、変な物を入れた?」

「失礼ね。 私がなにもしてないことは、ミリィとラムが証明してくれたわ!」

「あ、そう」


 リディは静かに椀を受け取った。 ふふふーー


 そして、最後。 アゼッタは、椀を見つめていた。


「……こういう場所で、こんなご馳走が食べられるなんて」

「私の料理の腕に感謝しなさいよ?」

「ええ……その通りね」


 私は、みんなを見渡した。 全員スープに口をつけた。 つけてしまったわね。 


ーーさて。 愉しい食事会の開催されるわ。

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