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死に戻りクズ勇者は勝手に生きたい〜こんな奴に勇者は任せておけない!  作者: Masa(文章力あげたい)
黄金の鉱山編

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第63話 ミアリポーターになるの!

 ミアたちは、宿屋の中に逃げ込んでいたの。 ここが最後の砦なの。


 窓は割れてるし、扉は歪んでるし、天井からパラパラ埃が落ちてくるし。 これ、ピンチなの。


 そして、そこに転がる生き残りのみんなが苦しんでいるの。 可哀想だよね〜


 頭を抱えてる人。 うわ言を繰り返してる人。 耳から血を流してる人。 みんな、あの声を聞いちゃったの。


「大丈夫です、今治します……」

「僕がすぐに、治すからね」


 ミルフィとプリンが必死に治癒を使ってる。 ミア? なんで、モブたちのためにミアの力を使わないといけないの?


「お姉ちゃんなら、もっと上手くできるのに……!」

「ミルフィ姉さん、落ち着いて」


 プリンが、ミルフィの背中をさすってるの。 ミアは、窓からそっとアイツの様子をみるの。


ーーでっか。 ドス黒いし、ドラゴンみたい? 


 通りの向こうに、山みたいなのが立ってるの。 腐った鱗がボロボロ落ちて、地面が溶けてるの。 その周りに、人がいっぱい倒れてるの。


「……やばくない? 今すぐにとんずらしてぇわ」

「ミア、キャラを忘れてます」

「僕たちもだけど……」


 ミルフィとプリンもキャラを忘れてるし、絶体絶命じゃん。


 終わりだよ終わり。 ミアの人生ここまでで終わり。


 読者のみんな〜 さよなら〜


 ーーあ、待って。 ミアが死んだら、物語が終わっちゃう!


 やだやだ! ミアはまだ、主人公格としての出番が足りてないの!


「ミア、なにブツブツ言ってるの!?」

「やめてください!」


 その時だったの。


「忍法、火遁の術」


 ひの息がアイツーー変な物体に向かっていったの。


 夜の街に、赤い線が走るの。 炎がアイツの脇腹に当たって、ボワッと燃えるの。


 でも、効いてないの。 腐った肉がジュージュー音を立てただけなの。


「誰かが戦ってる!」

「窓から離れて! 危ない!」


 さらに、二人の男たちがかけて行ったの。 ーーマルクと、ルミスじゃん。


「え、あの二人まだ生き残ってたの? 早々に死んだとかじゃなくて?」

「どうして、そう思ったの?」

「貴方のことが時々こわいよ」


 それに今『火遁の術』とかミアより目立ってる奴なの。 主人公気取りなの。


 さらに、なにかポーズをしているの。 またド派手な技を放つつもりなの。


 ずるいの。 あれ絶対かっこいいやつなの。 ここは、ミアの地獄耳スキル発動なの。


「忍法、雷落とし」


 ーーはあ? 雷落とし? なにそれ、格好いいじゃん!


 そいったら、空から雷がアイツに向かって、落ちたの。


 ーーやば。 空が真っ白になって、ドオンって音がしたの。


 ミアはビクッと尻もちついたの。 ミルフィとプリンが悲鳴上げたの。


「ニャ!」

「ギャ!」


 アイツの体から、ちょっと煙が出てるだけだったの。


「……損ねたでござるか」

「影丸与一、貴様いい度胸だな?」

「僕たちも巻き添えにするつもりだったんだね」


ーーあの忍者、味方ごと巻き込んだの? サイコパスじゃん。 引くわ〜


 しかも謝らないの。 「損ねたでござるか」って言っただけなの。


 そして。 アイツが咆哮したの。


『ォォォオオオ……!』


 また、あの声なの。 気持ちいい声なの!


「ミア、平気なの?」

「腐食竜の咆哮は危険なんだよ?」


 ミアは、耳を塞がなかったの。 ミルフィとプリンも、平気な顔してるの。


「……ねえ、二人とも。 頭痛くない?」

「痛くない、魔族だから」

「僕も平気、魔族だから」

「もしかして、ミアが効かないのは?」

「「さあ?」」


ーーまあ、どっちでもいいの。 これは無視できないの!


「ミア!? どこ行くの」

「外なの」

「駄目、死ぬ、危険だよ」

「大丈夫なの」


 ミアは、割れた窓に足をかけたの。


「だって、ミアは主人公格なの」

「意味がわかりません」


 ミアは、宿屋を飛び出したの。 主人公格は、戦うだけじゃないの。


ーー目立つことが大切だと思うの! ミアは、そう思うの。


「読者のみんな! 見ててなの!」


 ミアが一番目立つの! それがマストなの!

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