↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死に戻りクズ勇者は勝手に生きたい〜こんな奴に勇者は任せておけない!  作者: Masa(文章力あげたい)
黄金の鉱山編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

195/243

第56話 ジリ貧の攻防戦

 「どうやら、戦うしかないみたいだね……」


 エメラルドの声と同時に、腐食竜が動いた。


 腐食した巨体が身を起こす。 ーーだけど、様子が変だ。


「ねえ? これって本当に、ニーズヘッグなの?」

「……正確には違うね。 模倣された、ナニカだね」


剥がれかけた鱗が落た。 そこから、ドロドロと黒い血が溢れている。


『ォォォオオオ……!』


 咆哮した! 第一層で聞いたあの声はコイツだったの?


「コイツが犯人だったのね?」

「いや……違うな。 正確にはコイツらが犯人だ」


 エメラルドがそう言って会話を続ける。


 「頭の中を、直接掻き回される感覚。 自分が操られて、正常な行動ができなくなる感覚……常人がこの声を聞いたら大変だ」


ーーつまり、この状況で平然としている私たちは異常者?


「エメラルド……アイツが上に出たら……」

「一面、同士討ちの血だらけの海になるね」


ーーそうだ。 戦うしか、ないんだ。


 私は立ち上がった。 掌に、魔力を集める。


「アイスジャベリン!」


 氷の矢を産み出して投擲する。  鱗が弾け飛んだ。


「さすが、オパール!」

「いい判断だ。 爆炎系は毒が散布されるからね」


 でも竜は平然と立っていた。 取れかかっていた鱗が剥がれただけなのだから。


 もともとある傷口が黒く濁っている。 もはや、傷しかないように見える。


「ニーズヘッグをもとにしたナニカであることに喜んだ方がいいのか、悪いのか……どっちだろうね?」


 エメラルドが、呟いた。 ーー本当、その通りだよ。


「じゃあ、どうするのよ!」


 姉さんが叫んだ。 下手に近づくと腐食でやられる。


「魔法使い一人と、剣士二人か。 重戦士ーータンク役が欲しいよね……」


エメラルドがそう言った。 その表情は誰かを思い浮かべていた、気がする。


「だったら私が、タンク役になるわ! エメラルド! 秘策あるんでしょ?」

「ルビー。 ……まったく。 無茶苦茶、言わないでよ」


 姉さんの無茶振りに、エメラルドが苦笑いした。 けれど、その顔からは自信があるように見えた。


『アォォアオオ……』


竜の尾が薙ぎ払われた。 姉さんはそれを剣で受け止めた。


「くっ。 いい、尻尾じゃない……」


ーーなんとか受け止めたけど、辛そうだ。


「ルビー! 正面から受けるな! 今度は、弾き飛ばされるよ!」

「わかってるわよ!」


 姉さんが側面へ回り込む。 速い。 腐食竜は目で追いきれてない。


 剣が、竜の前脚を斬りつけた。  ーー剣身が、黒く変色していた。


「姉さん、剣が!」

「腐食……! 冗談じゃないわよ!」


 斬った側が腐る。 ーーこのままじゃ武器が持たない。


「オパール、援護!」

「わかった!」


 私は氷の槍を放った。 竜の目を狙う。 ーー当たった。 竜が首を振る。


 その隙に、姉さんが距離を取った。 エメラルドは、まだ動いていなかった。


 得物を抜いたまま、じっと竜を見ている。 観察している。


ーー頼むよ、師匠。 貴方が頼りだからね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。