第18話 殺した少女との再会
キャスとの精神的な戦いは、なんとか勝利することが出来た。 前回では、なかった展開ーーキャスとのバトルを乗り越えた俺。
既に、俺とキャスとの間には、深い絆が生まれている。
「ハア。 あり得ないんですけど〜 最悪だよ~」
キャスが落ち込んでいる。 そうだろう。 教えの母がもう死んだのだから。
ーーいや、今回はまだ死ぬ前だったか。 まるで、風前の灯の様に快活な様子で俺たちを見送ってくれた。
「坊や。 キャスをよろしくね」
「はい。 幸せにします!」
「あの子は口では、強い言葉を吐くけど、内心は繊細なの。 ⋯⋯まあ、貴方に今更言っても、仕方ないかもしれないけど」
後半の言葉はよく聞き取れなかったが、よくわかっている。
ーーその理由は、死に戻り前に、俺はキャスたち兵士を率いて、とある犯罪組織を殲滅しに行った時のこと。
「ははは、雑魚集団が! 俺の庭で好き勝手するなんて、馬鹿な奴らだぜ」
「⋯⋯ゆ。 団長!」
「おう、キャス。 見ろよ、コイツらの顔! アホ面晒してやがるぜ」
「あまりその様な態度を取らない方が⋯⋯ 部隊の指揮力が低下してしまいます。 彼らがこうなった原因は、我々に責任があることは、ここにいる全員が理解しています。 それに集団の中には、元同僚も混ざっていたんですよ! それなのに貴方は⋯⋯昔はそんなんじゃなかったのに⋯⋯」
「キャス。 なに言ってるんだ? こんなゴミども、どうだっていいだろ?」
「⋯⋯ゆう君」
「⋯⋯団長。 牢の中から獣女を発見しました」
「なんだと! 亜種族め。 俺が処刑してやろう!」
「待ってください! なぜそうなるのですか? 私の知ってる貴方は、誰にも優しい人だったのに⋯⋯」
「ふん。 優しさね⋯⋯そんなものを持っていたから、この世界は滅びるんだ。 人間以外の生物は劣等! それ以外の雑種は生きる価値無し! ⋯⋯おっと、お前は別だからな、キャス! 愛しているぜ」
「離してください! 気持ち悪い⋯⋯触らないで!」
「⋯⋯チッ。 んだよ連れねぇな〜 ああ、とっても憂さ晴らししたい気分だぜ。 ⋯⋯おっとここに丁度いい女がいたぞ! ケモミミお嬢さんお名前は?」
「⋯⋯貴方は⋯⋯」
「⋯⋯お嬢さんかわいいねえ? 名前は?」
「⋯⋯ミリィです」
「そっか。 じゃあミリィちゃん。 死ね」
「⋯⋯⋯⋯なんてことを」
「呆気ないね! やっぱり人間が一番だ。 ⋯⋯おい、この汚い物体を片付けておけよ!」
「⋯⋯かしこまりました」
「⋯⋯最低。 アンタなんて勇者じゃない! クズ勇者よ!」
ーーまったく。 あの時はちょっとしたすれ違いで、キャスを悲しませてしまった。
そして、そのあとに起こった獣族の乱で、キャスは俺を庇って死んでしまった。
今回は、同じ轍を踏まないようにしないとなーー
しかし、因縁は俺に別の形で再来した。 街角で俺はある少女と出会う。 まだ幼い見た目だが、間違いない。
「お前は⋯⋯」
「ミリィです! よろしくお願いしますです!」
神よ。 俺は恨むぞーー




