第17話 サキュバスの騎士⋯⋯ ーーキャス視点
ゆう君と、どう接すればいいのかなぁ? 相手は変態だよ? 変なことして来るかも!
ーーそんなことを考えていると、ゆう君が話し掛けてきた。
「⋯⋯キャス? なにか考えごと? 俺に言ってみなよ!」
「どうやって有罪変態と、同行者を演じるのか⋯⋯かな?」
「へえ⋯⋯大変な悩みだな。 でも、気にしなくてもいいさ! これからは俺が側にいるからさ!」
ドヤ顔でゆう君が言ってきた。 ハア。 自分が有罪変態である自覚なしっと。
「ねえ、君のことなんだけど。 有罪変態野朗、略してゆう君ね」
「ええ! 酷いよキャス! なるほど⋯⋯そう言う意味だったのか⋯⋯」
考え込むゆう君。 やっと自覚したのかな?
「そう言う訳だから。 ⋯⋯これでわかったでしょ! 私がアンタをどう思っていたのか。 どう? 一緒にいるのが嫌になった? それじゃあ別れようね~」
「まったく気にしないさ。 俺はキャスと一緒に行く」
真っ直ぐにこちらを向く彼。 説得は無駄だったらしい。
次の街に行くためには、橋を渡る必要がある。 だけど、その橋は崩落していたのであった、魔物の仕業だね。
下は底が見えない大穴、堕ちたら地獄行き確定だよ。 怖いよね~
でも、私の羽は丈夫なんだよ。 でも君は飛べないよね。 ああ、残念。
そこで、私は笑顔でゆう君にこう言った。
「じゃあねゆう君。 私は飛んで渡るから~」
短い間だったね! 君との旅はとても気持ち悪かったよ!
私が、翼をはためかせ、体を浮かせる。 そしてそのまま向こう岸へ渡ろうとしたが、有罪変態が私の下半身に抱きつく。 私は懸命に彼を振り落としにかかる。
「ちょっと! 離れてよ! 気持ち悪いから~」
「嫌だ! 一緒に行く!」
私のズボンを抱きしめるゆう君。 このズボンごと、大穴に落としたい衝動に駆られながらも、私は向こう岸まで到着した。
「便利だねその翼。 今度一緒に大空デート出来るね!」
「いいわね。 楽しみだわ。 もちろん私だけでね!」
私たちは微笑み合うのであった。
その時、さっきまでいた岸で叫び声がした。 よく見るとーー
人間の女たちが二人、揉めている。 間に男が一人挟んで膠着状態だ。
『私の太陽が、サキュバスの騎士になったわよ!』『いやどう見ても、サキュバスが嫌がっておるのじゃ』とか言ってる。
コイツが太陽の騎士? 冗談キツいわよ。
一方、コイツは私の体から、離れようとしない。
「離しなさいよ! もう、着いたわよ変態!」
「俺、閃いたんだ。 このままくっついているよ。 俺たちの愛情が深まるから」
「離れてくれる? 殺意しか生まれないから⋯⋯」
「そんな! 酷いや」
私は強引に彼を突き飛ばす。 そして、道を歩き始める。
「俺は本気だよ。 いつか絶対に惚れさせるから」
「あ、そう。」
次の街までもう少しだーー




