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死に戻りクズ勇者は勝手に生きたい〜こんな奴に勇者は任せておけない!  作者: Masa(文章力あげたい)
黄金の鉱山編

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第29話 死のダンジョンの真実

 崩れた天井から、砂が落ちてくる。 その中で私たちは呆然としていた。


 通路は原形を留めていなかった。 私の魔法で吹き飛んだ壁、剥がれ落ちた床、砕けた瓦礫の山。 アリの巣みたいだった第十一層の一角が、完全に別の地形になっている。


 そこへ、暗がりから足音が近づいてきた。 エメラルドだ。


「ああ、派手に暴れたね? また調査しないといけないじゃないか? どうしてくれるの君たち?」


 崩落した通路を見上げて、心底うんざりした顔をしている。


「隊の地図係が泣くよ。 この層を探索するの大変だったんだから」

「……」

「まあ、気が済んだならいいけどね」

「……」

「どうしたんだい? ……まさか殺したのかい?」

「……違うわよ」

「じゃあ……あれ? アイツらがいないな……逃げられたのかい?」

「違う……」

「じゃあ、どうして……」


 ーーそうよね。 勝ったのに。 全員倒したのに。 私たちはきっと、ひどい顔をしている。


「……奴らは、消えたのよ」

「……へえ」


 私たちはエメラルドに説明をした。


 ヌイセマカを縄で捕らえたこと。 殺さずに、生きて牢へ返すと決めたこと。 


 ーーしかし、その直後に消えたこと。


「消えた?」

「ええ。 ……ダンジョンに、吸い込まれるみたいに」


 姉さんが、握った拳を見つめたまま言った。


「縄で縛って、地面に転がして、目を離してなかったのよ。 なのに、一瞬。 瞬きした間に、全員」

「へえ……消えたね」


 エメラルドは、しばらく黙っていた。 なにを考えているのかわからない。


「……なるほどね。 やっと繋がったよ」

「え?」

「上の層の連中さ。 ……どうして殺し合わせる必要があったと思う?」


 考えたこともなかった。 ただの呪いだと、災害みたいなものだと思っていた。


「魔物なら、食えばいい。 支配したいなら、従わせればいい。 なのにあれは、わざわざ『仲間同士』で殺し合わせた」


 エメラルドは、闇の続く下層の方を見た。


「絶望を作らせてるんだよ。 自分の手を汚さずにね。 信じてた相手に刺される絶望、仲間を手にかけた絶望。 ……あれにとっては、混乱そのものが餌なんだよ」


 ーー餌。 その言葉に、鳥肌が立った。 第一層から第九層まで見てきた、あの地獄の光景。 あれが全部、意図的に作られた状況だなんてーー


「じゃあ、ヌイセマカは……」

「喰われたんだろうね。 『ダンジョン』に」

「ダンジョンですって?」


 姉さんは、顔を引き攣らせた。 だけど、どこか納得した表情だった。


 姉さんは以前から、このダンジョンに違和感を持っていた。 私もだけどーー


 なぜか、狭い第一層。 なぜか居住区の第二層。 そして、温泉地の第十層。


 ーーそれらは、ここに私たち人間を滞在させるため。


「早くギルドに報告しないと!」

「そうだね……」

「残念ながら……どうやら、手遅れみたいだよ?」


 ーーえ? どう言う意味? 


 私たちがその意味を尋ねようとした時、目の前に老婆が出現した。


「フォフォフォ。 ルビーとオーパル生存ルートになると、発覚が早いのう〜 勘がいいガキだからかの? 嫌いじゃの〜」


その老婆は、私たちを見て、不気味に嗤いだした。


「しかし、気づくのがちと早いのう? いや? 遅いかの? まあ、どちらにしろここで足止めじゃがなぁ? フォフォフォ」

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