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死に戻りクズ勇者は勝手に生きたい〜こんな奴に勇者は任せておけない!  作者: Masa(文章力あげたい)
黄金の鉱山編

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第25話 回想の終わり 三姉妹の戯れ

 

「……それで結局、あのナナシは第十一層へ逃げ伸びたって訳」


 リディが腕を組みながら、呆れたように言う。 俺は奴のこれまでの様子を想像して、ため息をついた。


「あの馬鹿、逃げ足だけは早いな……」


 頭を抱えてしまう。 ーー本当にアイツは勇者なのか?


 アイツのやっていることがクズ過ぎる。


「お話に出てきたエメラルドさんたちは、その後どうしたんですか?」


 ヨニーが静かに口を開く。 彼女は盲目のはずなのに、まっすぐにリディの方を向いて話している。


「エメラルドとルビーとオパールの三人は、ナナシを追いかけている最中ね。 ……まあ、追いつけるかどうかは別の話だけど」

「……バニラさんは?」


 ヨニーの問いに、リディはこう語った。


「……そうね。 実はこの情報もバニラから聴いた話さ……つまり。 彼女はここまで戻って来ている訳」


◇◇◇


 死のダンジョの入り口前のバニラが住む小屋にてーー


「バニラお姉ちゃん! 会いたかったニャー!」

「僕もニャー!」


 護衛たちが見守る中、二つのネコミミがバニラに飛びついていた。


「ニャー! ミルフィも、プリンも、久しぶりニャー!」


 バニラは、二人を両腕で受け止め、ぎゅっと抱きしめた。 聖女の顔でも、猫被りの顔でもない。 ただの、姉の顔である。


 ミルフィはバニラの肩に頬を擦りつけ、プリンはその腰にしがみついたまま離れない。


「心配したニャー! 使い魔から話を聞いて……泣きそうだったニャン!」

「そうニャ。 僕は泣いてたニャ」

「「無事でよかったニャー」」

「……ふふ。 ごめんね、二人ともニャー」


 バニラの目元が、緩んだ。 ミルフィは口を尖らせてナナシへの愚痴を語る。


「怖かったニャン。 ナナシは乱暴な奴ニャン!」

「ナナシは私を強引に攫って、やりたい放題だったニャン!」

「うん。 うん、そうだニャ!」


 バニラとミルフィは微笑む。 


 ただ、腕の中のプリンだけには、その意味がわからなかった。


「お姉ちゃん……ナナシって人、怖かったニャン?」


 プリンが、小さな声で聞いた。


「……そうね。 怖かったわ。 でも、可哀想な人ニャー……一体何がナナシを駆り立てているのかニャー」


 彼女の視線が、ダンジョンの入り口へ、ほんの一瞬だけ向いた。


「ニャー! 僕のご主人様とは偉い違いニャ!」

「……ご主人? プリン? どういうことニャ?」

「その話、ワタクシも初耳ニャー!」


 ネコミミ二体がプリンに詰め寄った。


「ニャー。 僕がロルカに襲われた話はしたニャン?」

「なんですって? 聞いてニャイニャン」

「ワタクシは知ってますニャ! ……まさかその時に……」


ミルフィが、話を思い出しながら顔を青ざめていた。


一方、バニラはプリンに詰め寄っていた。


「一大事ですニャ! 何者ニャ! 主従契約をした人物は!」

「キャスニャ! サキュバスだニャ!」

「「サキュバスのキャスニャ!」」


二体のネコミミの悲鳴が小屋の中に響き渡った。

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