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死に戻りクズ勇者は勝手に生きたい〜こんな奴に勇者は任せておけない!  作者: Masa(文章力あげたい)
黄金の鉱山編

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第59話 動き始める悪意

 「申し訳ございませんです!」

「本当に勘弁してくださいよ。 前にこんなことがあってから、禁止なんですよ!」


 麓の冒険者ギルド。 その応接室で、ミート学園長がギルドの役員に深々と頭を下げていた。


 この学園長って、案外苦労人よね?


「まったくです。 お陰で、第一層が、パニックになりましたよ? 喧嘩をするなとは言いませんが、状況と場所はわきまえて……」

「はい、おっしゃる通りです!」

「ふん! 邪魔な『二足歩行の障害物』があったから、払い除けたまでよ!」


 ーーそれも全部、この老害のせいである。


 私は隣で正座させられている老害ジジイ、もといマルクを睨みつけた。 当の本人は、悪びれる様子もなく腕を組んでいる。


「儂の邪魔をする者は皆、障害物じゃわい!」

「マルク様はお願いですから、お静かにするです!」

「はっはっは。 すまんすまんの『学園長』」


 ギルドの役員がマルクと言う名前を聞いて、顔を合わせる。


「……失礼ですが、バルデン王国前国王のマルク様ですか?」

「ああ。 ……それで、コイツが倅のルミスだ」

「……どうモ」

「な! ちょ、え?」


 マルクがルミス様の背中をぼんぼん叩く。 ルミス様が仕方ないという雰囲気で挨拶をする。



ーーどういうつもり? ルミス様の身分を明かすなんて!


 その言葉を聞いた途端。 周りの全員の意識が私たちに集中したのは言うまでもなかった。


「……それで、本題ですが。 あなた方も『死のダンジョン』へ潜るおつもりですか」

「ふん、当然だ。 ここのくだらん怪異を討伐してやろう!」

「なんですって? ……どこから、その話を!」


 マルクのその言葉に、応接室の空気が変わった。


 変わったのは、ギルドの役員だけじゃない。 私や、ミート学園長もだ。


「……ま、マルク様? それはなんです?」

「ふん。 なんでも、それの瘴気を浴びた者は、仲間同士で殺し合いをするそうじゃな?」

「マルク様! そんなこと、聞いてないです!」

「だろうな。 言ってないからな!」


 全員が動揺と恐怖感を覚えている。 かくいう、私もだ。


 私はちらりと、部屋の隅に目をやった。


 フレイア。 彼女は壁にもたれたまま、じっと役員の話に耳を傾けている。 その表情からは、何も読み取れない。


ーー貴方は、平気なの? まさか、事前に知っていた?


「……」

(お金、お金お金。 早く、一瞬でも早く欲しいわ〜)


◇◇◇ ルーブ視点


「ようこそ、ルーブとヨニーちゃん。 ……あれ? フレイアは?」

「あの馬鹿なら、陽動係のマルクと一緒にギルドの応接室だ」

「フレイアは相変わらず、お金に目がないんです……」

「まったく、フレイアらしいね? 二人とも、置いてかれたね?」


ーーまったく。 あの、守銭奴は。 いつか痛い目を見るぞ。


「マルクおじいちゃんには感謝しないとね? あっちで派手に暴れてくれたおかげで、こうやって話せるから……」

「……そんなに、秘密にしたい話なのか? わざわざこんな裏路地で……」


 俺たちがいるのは、人目がつかない裏路地だ。


「ああ、まったく。 ナナシがやってくれたよ……」

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