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死に戻りクズ勇者は勝手に生きたい〜こんな奴に勇者は任せておけない!  作者: Masa(文章力あげたい)
黄金の鉱山編

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第57話 麓での心理戦

 最初の異質な敵には驚かされたが、長い旅の後、私たちは目的地であるガランド山脈へ辿り着いた。


 麓へ到着すると、その賑やかさに圧倒された。


「なにこれ? すごいじゃない!」


 キャスがキョロキョロと麓の街を見回す。 


「キャス! あまりウロチョロしたら、迷子になるです!」

「そうだよ。 ただでさえ目立っているんだから……」

「ええ? 大丈夫だと思うわよ? 飛べばいいし!」

「「駄目」」

「あ、そう……」


 しょんぼりするキャスを横目に、私は隊列の後方へ視線を送る。


 ーーいた。フレイアだ! 


 彼女は呑気にルーブと並んで歩きながら、時折きょろきょろと辺りを見回している。 あれは絶対に何かを探している目だ。 間違いないーー


「ミア、少しいいかしら」

「なあに、アゼッタちゃん?」

「フレイアの様子、おかしいと思わない? さっきからずっと辺りを気にしているわ」

「そうだね。 ……で? それってミアと関係ある?」

「……ない」

「じゃあ、どうでもいいかなぁ?」


 だめだ、この人に聞いた私が間違っていた。


 宿泊先を決めた私たち。 その後、ミート学園長が全員を集めた。


「この先が名称『死のダンジョン』じゃ! 潜るのはいつにするかの?」

「……」

(なる早で潜りましょ! 黄金が、金持ちの未来が見えるわ!)


 フレイアがくすくすと笑っている。 その余裕の笑み。 一体、なにを企んでいる訳?


「今すぐでは駄目でござるか? ……おっと、下見でござるよ」


ーー影丸与一。 得体の知れない男。 見るからに暗殺者の身なりをしている。


 私とルミス様は彼を警戒している。 だって、見るからに怪しい。


 奴に単独行動をさせるのは危険だ、妨害しないとーー


「私も今すぐに行きます!」

「僕も行くヨ」

「ちょっと待つのじゃ。 ……うむ。 単独行動は危険じゃ! ここは、何班かに分けるべきじゃな」


学園長はそう言ったのだった。 ーーグループ行動ね?


◇◇◇


ゲバドン先生は今回の遠征は欠席だ。 


代わりに、正体不明の盲目の修行僧ーーヨニーが同伴している。


「私は誰と組もうかしら〜 みんな〜 手を挙げて〜」


キャスが全員に呼びかけるが、誰も応じない。


「なによ! みんな、どうしたのよ!」

「ふん。 哀れなサキュバスよ。 ここの連中は魅了されんぞ」


マルクは呆れながらキャスに向かって言う。 


ーーだけど、キャスは諦められないらしい。


「そ、そんな……ルーブ君? ホラホラ、フリフリですよ〜」

「……興味ない」

「むぅ。 ルミスく〜ん〜 どう?」

「僕は、研究しか興味なイ」

「チィ。 影丸与一くん……」

「寄るな、妖魔!」

「なんでよ。 ……ゆう君が懐かしいわ」


 キャスは尊厳が傷ついたらしく、うずくまってしまった。


そんなキャスへ、ニヤニヤしながら、ミリィとラムが近づく。


「キャス、わかったら服を着るです! ダンジョンは服を着るものです!」

「お姉ちゃん、ダンジョンじゃなくても着るものだよ……」

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