アゼッタの犯人探し9
太陽が照りつける、翌日の学園の庭。 私はルーブと話す好機を待っていた。
しかし、フレイアは一向に離れない。 それどころか、謎の求愛行為をしている。
ーーいい加減、イライラしてきた。
すると、ルーブがフレイアを手で払う。 フレイアがムッとした表情でどこかへ行った。
ーーなぜかしら? 買い物でも行ったのかしら? まあ、私としては好都合だからいいけど。 ルーブへと、私は歩み寄った。
「隣、いいかしら」
「……ああ」
ルーブは帽子のつばを軽く持ち上げ、私を一瞥した。
私の最初の印象だと、荒っぽい男だったけど違った。
どうやらアレは演技だったらしい。 私と同じ考えか、別の考えがあるのか。
「今日はいい天気よね!」
「……」
「……それとも、曇りかしら?」
「……大雨だ」
「なに言って……」
私が理解できずに戸惑っていると、ルーブは発言を続ける。
「お前は、昨日はなにをしていたんだ?」
「——っ」
心臓が跳ねた。 ば、バレていた?
「な、なんのことかしら? 私はただ、夜の散歩をしていたのよ!」
「池の向こうの茂み。 赤い頭がずっと揺れてた。あんな目立つ頭で隠れてるつもりだったのか? 俺とフレイアで笑っていたぞ?」
「……」
ーー誤魔化しは通じない。 そう悟った私は腹を括って、真っ直ぐにルーブを見据えた。
「回りくどいのはやめにする。 水晶を壊した犯人はフレイアでしょ?」
ルーブは表情を変えなかった。 やがて、彼は静かに口を開いた。
「……そうだったらどうするんだ?」
「水晶を壊した弁償金をもらうわ……」
質問に質問で返された。だがその声は、とぼける者のそれではなく、何かを確かめようとする者の、低く重い声だった。
「……それじゃ、答えは『知らない』だな。 仲間を売る訳ないだろ?」
「……わかった。 邪魔したわね」
ーー私は、その場を振り返らずに去った。
もう。 本人に直接問う、今決めた。




