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死に戻りクズ勇者は勝手に生きたい〜こんな奴に勇者は任せておけない!  作者: Masa(文章力あげたい)
黄金の鉱山編

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第19話 いかにも怪しい男たち

 「ナナシ。 明日、絶対に来てね! 第三層よ!」

 「はあ? 誰がお前の言う通りにするか! ……は! ゴホン。 ……俺は一人で生きていくって決めたんだ……」


 食堂から出た私たち。 姉さんは、ナナシに念押しをしていた。

 

 ナナシはぶつぶつ呟きながら、ボロボロのマント姿のままどこかへ去って行った。


 私は、その後ろ姿を見送った後、姉さんに問いかけた。


「お姉ちゃん。 なに考えてるの……」

「落ち着いて! 大丈夫だから!」

「……アイツ危険だよ」


 私は、姉さんの手を握った。 通行人がちらりとこっちを見るけれど、構ってなんかいられない。


「目つき見たでしょ? ……あれは、人を殺したことがある目だよ……」

「そうね」

「そうねって!」

「でもね、オパール。 あの人は、ボンバさんを殺してないわ」

「……根拠あるの?」


 姉さんは、私の手を握り返した。 優しい瞳で私を見る。


「彼は、あれだけの魔石を放置していたわ。 ボンバさんの荷物を強奪した犯人が、そんなことするかしら?」

「それは」

「それに……たぶん、何か事情があるの! これは、私の勘よ!」

「勘って。 そんな、適当な……」


 姉さんは、少し困ったように笑った。


「……ごめんね、オパール。 でも私、ボンバさんの仇、絶対に取りたいの!」


 ボンバさん。 私たち姉妹に初めてダンジョンの歩き方を教えてくれた人。


 私だって、悔しいけどーー


「……わかったよ。 仕方ないな」

「ありがとう、きっと大丈夫よ!」


 姉さんは、笑った。 その笑顔を見ると、私はもう何も言えないよ。


 私たちは、聞き込みを開始した。 姉さんは、知り合いの冒険者たちに次々と話しかけていく。


「……そういや最近、旦那、ヌイセマカってパーティと一緒にいるのを見たな……」

「ヌイセマカ? ……なるほど」

「……あんま評判の良くねぇ連中だ。 近づくなよ……」

「……そう。 ありがとう、おじさん」


 姉さんは、笑顔のままその場を離れた。


 でも、私には分かる。 姉さんは、もう完全に決めてしまっている。


「お姉ちゃん……」

「夜、酒場に行きましょう。 たぶん、彼らはいるはずよ……」


 夜。 麓の酒場は、今夜も賑わっていた。 ダンジョンから戻ってきた冒険者たちが、その日の稼ぎを酒に変えて、楽しそうに談笑している。


 その中に彼らはいた。 お酒を飲んでごきげんなようだ。


 姉さんは、何の躊躇いもなく、彼らのテーブルに近づいていった。


「ねぇ、貴方たちがヌイセマカの人たちかしら?」

「……あぁ?」


 男が、ぎろりと姉さんを一瞬睨んだ。 しかしその後、ニコニコした表情に変わる。 


 ーーまったく。 これだから、男は嫌いなんだ。


「よお、お姉ちゃん! 別嬪だなぁ! 一緒に飲もうぜ!」

「……ボンバさんのこと、聞きたくて。 貴方たち、最近一緒にいたんでしょう?」

「ボンバ? ……ああ、それがどうした」


 男の手が、姉さんの腰に伸びていた。


「今日第三層の西側通路で死んでいたの……」

「……なんと」


 男が顔に手を当てて、落ち込んでる様子を見せる。


「……なにか知らないかしら?」

「……すまん。 わからないな」

「そうですか。 ……では、失礼します」


 姉さんはそういうと、優雅に頭を下げてテーブルを離れた。


 私は慌てて、姉さんの後を追うのだった。


◇◇◇


「……あの女、いい体してたなぁ」

「妹もいけるじゃねぇか……」

「お前はロリ趣味かぁ?」

「明日ダンジョンで『偶然』会えるといいなぁ、ええ?」


男たちは、その後、小さい声で話を続ける。


「……あの女、俺たちを疑ってやがるな」

「リーダー、どうする?」

「……ふん。 決まってる」

「やるか。 明日は楽しい、嬲りパーティだぜ!」

『ガハハ』


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