2話 next
「はぁっはぁっ」
疲れた。
あれからどれだけ歩いただろうか。
あの後、クリスから付いてきてくれと言われたからついていってるけどどこに向かっているかわからない。
「なぁ、どこまで行くんだ?」
「いい加減教えてくれよ」
敬語はやめてほしいと言われたので普通に聞く。
「俺たちの居場所だ。アジトみたいな感じだな」
「もう着くぞ、、、、ほら、見えた。」
クリスの指差す方向を見るが、何もない。平地に雑草が生えているだけにしか見えない。
「なにもないじゃないか、って思っただろ。」
クリスが笑って言う。
「俺も初めは思った。でもこれがすげぇんだぞ」
「いろんなことができるんだ。」「例えば、、、、、」
そんな会話をしていると目的地に着いた。
「何にもないように見えるけど、実はここに草に混じったスイッチがあるんだ。ここをこうやって押すと、、」
クリスがスイッチを押すと同時に大きな音と共にシェルターの入り口のようなものが地面から出てきた。
「おぉぉ、凄いな。どうなってるんだ?」
「それはなぁ、、俺もよくわかってないんだ。」
入口を開けると、階段が下に続いていた。その階段を降りると、そこには館ようなものがあった。
3階建ての、とても大きな館だった。
あの地面の下にこんなものがあるのかと驚いていると、クリスが扉を叩いた。
「開けてくれ、俺だ。」
すると、右斜め上にある音声機から、女性の声が聞こえた。
「どちら様でしょうか。」
「俺だよ俺〜、クリスだよ〜」
「あ、クリスか。ていうか普通にドア開いてるよ。」
「えぇ、鍵してないの?不用心だなぁ。」
「でも最後に出ていったのクリスだよ。」
「まぁ鍵をかけないっていう人としての器の大きさがあるってことでもあるよな。」
「・・・・・」
「ねぇ、頼むから無視しないでくれ。虚しくなるから!」
「ごめん、意味わかんなかったから。関わらない方がいいんじゃないかって思っちゃって。」
「辛辣すぎる!」
「はいはい、わかったから。連れてきてる子がいるんでしょ。早く中に入れてあげなよ。」
「わかってる、大丈夫だ、焦んな焦んな。
お前も鍵をかけずに外出できる俺のように心に余裕を持て。」
「・・・・・」
玄関先でそんな会話を聴いた後に館の中に入った。
・・広い、とても広い僕の村で一番大きい建物よりも何倍も広い。
少し歩いた後に、学校の教室ぐらいの大きさの部屋に入った。すると、一人の女性が座っていた。長くて黒い髪、年齢は僕より少し上ぐらいだろうか。目があった。
そのあと、沈黙が続いた。
・・なんだろう。何か話した方がいいのかな・・
そう思っていると、クリスが横から言った。
「イルは少しシャイなんだよ。できれば、君の方から自己紹介してくれ。」
わかりました。と頷く。
「僕はユウ、ここから少し離れた、高木村の出身です。年齢は17歳。僕の村は襲撃されました。だから、僕は神がなんなのかを知るために、神を殺すためにクリスに付いてきてここまできました。」
「そう、、そうなのね。」
女性はつぶやく、そしてこう続けた。
「私はイル・クリミナル。私は神に狙われたことがある。でも助けてもらった。このチームに。紹介するわ、私たちのチーム【next】を。」
「このチームは神に支配されたこの世界を変えるためにある。メンバーはあなたで7人目。」
「あの、、聞いていいですか?」
「もちろん。気になることがあったら聞いて。何も知らないままじゃ、悔しいでしょ。」
「神って一体なんなんですか?」
「なるほど、そこからか。」
イルは座っていた体勢を変えて説明を始めた。
「この世界は、一つの大都市と、その他沢山の小さな村や王国で構成されている。そして大都市には神がいるとされているわ。そしてその都市には神を信仰する団体【神の雷】がいる。」
「そいつらが神の名の下にとか言って好き放題してるってこと。私たちの目指す神のいない世界をつくるには、まずこの団体を潰さなきゃ始まらない。そこで、今は、私とクリスが仲間を集めて、それ以外のメンバーで団体の調査をしてるって感じ」
「あの、、神の規則ってなんですか?僕の村はそれを破ったらしくて、、」
「あぁ、神の規則ってのは神がつくったルールらしい。
それは、確か、、えっーーと」
「神を脅かすな、汚すな、侮辱するな、、、信じる者のみが救われるだろう」 横からクリスが言った。
「そう。そんな感じ。」
この後も、僕は知りたいことを思いつく限り聞いた。
・・・そういえば、この人たちは、神と戦ってるってことだよな。
でもあいつらと戦うなんで僕はどうすればいいんだろう。・・・
「あの、、イルさんたちはどうやってあいつらと戦っているんですか?」
「基本的な魔力操作ができれば戦えるよ。戦うのが不安なんだろ。わかるよ。でもこれさえできれば十分戦える。」
イルは立ち上がってこう言った。
「私が教えるよ、戦う術、神に抗う手段を。」
こうして、僕の特訓の日々が始まった。




